内容説明
嘘っぽく晴れ渡った青空の下、来年五十周年を迎えるカキツバタ文具の史上初の社内運動会が開かれた。ごますり男も泣き虫も、不倫男もアイドルも、強面もお調子者も、みんないつもとちょっと違う。いや、ちょっとどころか、え?こんな人だった?いろんな笑いがぎっしり詰まった会社小説の真骨頂。
著者等紹介
山本幸久[ヤマモトユキヒサ]
1966年生まれ。会社勤務、編集プロダクション勤務を経て、2003年「笑う招き猫」で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。さまざまなジャンルで活躍する女性を独特のユーモアをもって描くことで定評がある。小説作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
200
期待以上に痛快な気分にさせてくれました。作者の作品は『アヒルバス』ですっかりハマりましたが、本作もかなりオモシロかったです。ある文具店の社内運動会が開催され、そこで働く社員さんと、その家族たちのココロ温まる交流を行われる種目の流れも交えながらの展開は、ホント面白すぎでした。みんな、ドコか抜けていて人間味があり、生粋のワルいヤツが出てこないのも読んでいて、とても爽やかなキモチになれました。個人的にはもう少し恋愛部分もあっても?とは思いましたが、家族の再生または崩壊、絆など読みごたえは十分にありました。2014/09/28
hiro
191
初山本久幸作品。読メでこの本を知り、題名とジャケットが大変面白いので図書館で借りました。この本を一言で言えば、カキツバタ文具の初めての社内運動会を描いた爆笑会社小説というところでしょうか。8章すべて語り手が変わり、その語り手の社員やその家族が、皆個性的で、最後まで面白く読めます。特に2章のワタナベ一族の話は、初めはてんでばらばらな4人のワタナベが、徐々に一体感がでてくるところが不思議で面白い。これが社内運動会の不思議なところなんですかね。今後も小説すばる新人賞受賞作を含めて山本作品を読みたいと思います。2012/04/28
射手座の天使あきちゃん
157
初山本幸久さんです、なんてったって構成が素敵! 社内運動会の競技プログラムに沿って個性豊かな登場人物の紹介と人間模様が展開されます(笑) キャラ濃ゅいですぅ!! 「みんな楽しんでるだけじゃない、いつも誰かが誰かを応援してる、励ましてる、素晴らしい」って思い伝わります、それにしても千葉さんのズラが・・・(爆)2011/11/04
takaC
128
うーん、広げた風呂敷はちゃんと畳んでくれないと印象良くないぞ。誤植が多かったのもマイナスポイント。特に237ページ16行目の「額賀」は「武藤」だろう。大勢出てくる小説で人名間違えはダメ。2013/08/14
ぽぽ♪
113
カキツバタ文具の社内運動会でのオムニバスストーリー。メニューによって主人公が変わるので、登場人物一覧表があるのは助かったです。高城母が凄いキャラでお気に入り。借り物競走でのドラ○もんバックは笑えました。親子、夫婦、不倫。色々な話が盛り込まれていて飽きずに読めました。2014/09/01