内容説明
食器だけ作って下せえの。おめさんの食器は日本一使い易いけえ。みほの熱い励ましで夫啓一の覚悟はできた。台風で窯が壊れたが、もう一ぺんやってみよう。幾工程もの土作り、蹴りろくろ、薪窯で日用雑器を焼きつづける家族の歴史と愛を力強く描く。
著者等紹介
津村節子[ツムラセツコ]
東京生まれ。学習院短期大学部卒業。64年「さい果て」で新潮同人雑誌賞、65年「玩具」で芥川賞、90年『流星雨』で女流文学賞、98年『智恵子飛ぶ』で芸術選奨文部大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒豆
6
印象深かった図書館本の再読かつ蔵書化7冊目。戦後の田舎での陶芸活動、お金のやりくり、手作りへの拘り、民芸運動、入賞と、二度読んでも印象深かった。陶芸教室で皿を作った事を思い起こした。話に出てきたコーヒーカップ☕️も作ってみたいが難しいかな?2017/02/08
ヒラP@ehon.gohon
5
土に生きる者の重さがひしひしと伝わってくる作品です。佐渡から嫁入りしたみほ、シベリア抑留から帰った啓一が、苦難の末に育て上げた窯場をいかに守ってきたか、渋味のある文章にまとめあげられています。娘ばかりの家族がどのようにやきものを継ごうとしたか、健作の登場とラストシーンが意味深長でした。2016/01/05
バーベナ
2
妻:みほの新潟(安田)から佐渡への里帰りが22年ぶりだなんて。それは先代の保田焼を庵地焼として盛り返し、生活にやっと余裕が出てくるまでの歳月。「庵地焼」で検索したら三姉妹の窯としてHPが出てきた。2010/11/01
アイゼンハワー
0
G32017/08/16