感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
58
砂漠の国を舞台にした「黄漠奇聞」という小説のテキストが収録作品集によって異なるという読書家様のつぶやきに惹かれて。稲垣足穂は自己改訂魔人として名高い。大昔、お洒落な小説枠で私の周囲でも流行ったのだが、図書館で適当に作品集を借りて来て「あれさ~」とやると「そんな文章はなかった」(逆も)という事が起こる。ちなみにかの「黄漠奇聞」だと雑誌初出時が84枚だったテキストが作品集に編入されるたびに50枚・25枚と「ごちゃごちゃした部分を取り除いた」結果のシェイプアップ。中篇がすっかり短編だ。⇒2023/05/25
のうみそしる
2
京大の高木博士いわく、「彼ほど徹底して人間をその作品から拒否した作家を知らない」。なるほど、確かに感情表現や心の内面の描写は稀ではある。それをなくして、ガス灯や映写機、クラシックプレーンでもって懐かしさや言いようのない切なさを感じさせるのは実に見事。 「青や、黄や、緑や、灰や、紫が、キュービズムの画面のように入組んでいる野づらの中にある一つの奇妙な村落に、ふと眼がとまりました」セピア色の村2018/02/12
galoisbaobab
1
タルホの本が読みたいということはタルホの本が読みたいということではなくタルホの世界に触れてみたいということです。 「少年少女は過ぎ行かん。天文学と航空術もまた然り。されどヰタ・マキニカリスは永遠なるべし!」稲垣足穂2014/06/21
水蓮
0
再読。2009/03/15