出版社内容情報
紛争、格差、環境問題……。世界はいまも多くの問題を抱えて揺らぐ。これらを理解するための視点は、どうすれば身につくのか。多彩な先生たちが示すヒント。
内容説明
紛争、格差、環境問題…。グローバル化が進んだ世界は、多くの問題を抱えて揺らいでいる。これらの状況を理解する視点は、どうすれば身につくのか?多彩な先生たちが、ヒントを与えてくれる。
目次
ヒロシマ・ナガサキ・アウシュビッツ・大震災(立花隆)
“ナクバ”から60年―人権の彼岸を生きるパレスチナ人たち(岡真理)
世界がわかる宗教社会学(橋爪大三郎)
世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい(森達也)
民主化とピープルパワー―フィリピンからエジプトまで(藤原帰一)
人類学者として、三・一一以後の世界を考える―異文化から学ぶもの(川田順造)
グローバルに考えるということ(伊豫谷登士翁)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naoっぴ
76
中学生に向けた大学の教授による講義をまとめたもの。「揺らぐ世界」というタイトルどおり、今世界で起きている問題をどのように見、どう判断したらよいか、さらに未来にどう繋げていくべきかということが大変わかりやすく書いてある。ものすごく勉強になったし、面白かった。内容はイスラエルやパレスチナの問題、マスコミ報道の現実、太平洋戦争と震災、死刑の是非など多岐にわたり、自分なりの考えをもつヒントがたくさんみつかります。もっと世の中のことを知りたくなりました。大人にも勉強になる一冊。2016/11/09
よこしま
26
自分の目で見、自分の心で感じ、自分の頭で考え、友だちや家族と話し合って判断し、勇気をもって実行する人になってください。◆当シリーズ4弾は現在の世界。立花隆さんはヒロシマ・ナガサキやアウシュビッツに触れ、今回の大震災が似ていると。そして、これから破綻に向かうこの国であっても、強靭な心を持ってくれと!◆岡さんのガザは、ユダヤ人が受けたホロコーストも、沖縄も同じであること。◆橋爪さんの宗教学。キリスト教が資本主義を生んだ旨は興味深いです。◆冒頭のメッセージは、文化人類学の川田さんの手描き。心が暖まります。2015/05/04
ユウキ
20
岡真理が強烈だった。パレスチナ人の苦難の歴史を知りつつも「なぜ自爆テロなんかするの」という問いは、現地に行って様々な話を聞くといつのまにか逆になっている。むしろ「なぜ自爆しないのだろう」と。そして気づく。怒り恨んで復讐したくなるような状況に追い込まれながら、圧倒的多数の人々が「他人を傷つけない」という選択を日々意識的にえらび、踏みとどまっているという現実に。現代社会は難問だらけだけど、結局は希望があると信じられるかどうかが生きるための鍵なんだなとよくわかりました。このシリーズは本当に良いです。全巻読みたい2018/04/23
リノン
15
中学生からの大学講義、4冊目。本当に勉強になる本です。こんなに知らない事が多いとは!パレスチナ問題、ムバラク政権崩壊、フィリピンのピープルパワー革命など、名前は聞いていても何も知らなかったです。無関心である事は、何も進歩しない事になるのでしょう。民主政治の持つ意味を、自分なりの答えを見つけていってほしい、という藤原帰一さんのメッセージが心に残りました。第三の敗戦、世界の宗教、死刑と懲罰の在り方など、分かり易く興味深い話ばかりでした。2015/06/28
calaf
14
この世には、身近な問題だけではなくもっと広い視点から見た問題も多数存在している。そしてそれらはまた、身近な問題にも強く関連している。グローバルな視点から見た様々な問題について考えるエッセイ(?)集。2015/12/22