内容説明
男女の情と欲が妄執となって殺意となるとき、江戸の町に事件が起きる。お馴染み佐武と市の名コンビだが、今回は自分たちの心の闇にも気づかされることに―。マンガ史にその名を刻む最高傑作シリーズからテーマ別に選んだ文庫オリジナル・アンソロジー全3巻完結。
著者等紹介
石ノ森章太郎[イシノモリショウタロウ]
本名:小野寺章太郎。1938年1月25日、宮城県登米郡(現・登米市)生まれ。1954年、高校在学中に『二級天使』でデビュー。高校卒業と同時に上京し、漫画家生活に入る。代表作に『サイボーグ009』『仮面ライダー』『佐武と市捕物控』『マンガ日本の歴史』などがある。1998年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
91
面白いのだけ、漫画を文庫化というのはちょっと無理がある。細かい描写やセリフが小さくて読みにくい。せめてB5サイズで出版してくれるとありがたい。 2022/09/23
Vakira
38
約50年も前の作品に驚く。全然新鮮。石森章太郎さんSFだけでなくこんな人間ドラマも素晴らしい。映画の演出の様なコマ割り。人物の表現はよりリアルに。少年向けだった漫画から青年向けへ新規開拓。この漫画も少年サンデーからビックコミックへ連載変更したようだ。人間の愛憎物語にはやっぱりSEX描写は必要だろう。TVアニメまで作られ当時は21時から放映されていたようだ。調べてビックリ 演出は真崎守だ。見たい~。このシリーズ発行してくれたちくま書房に感謝。残念なのは3巻で終了。もっと読みたい~2019/10/02
阿部義彦
16
えっこれで(3巻で)終わっちゃうの?アンソロジーもっと読みたいです。つうか、全部丸ごと復刻してもらいたいです。版元の小学館(ビッグコミックス)がやらないやらちくまさんしかないてしょ!なんて、無理をいっちやいました。この巻のテーマは男女の愛憎劇です。一番セリフ少なめで読み応えもズッシリでした。モラトリアム、ピーターパンから、アダルトチルドレン、変態性性欲まで、みどりちゃん健気ですね。ちくまさん、続刊を待ってますぜ。この作品を眠らせるのは漫画界にとっても罪な事です。2019/08/17
アリーマ
14
男女の痴情沙汰に絡んだ話のセレクション。読むたびに闇の息遣いがページから立ち昇る。文庫という版の小ささが辛いくらい濃密な画と構図。不朽の名作だ。★★★★★2020/01/14
剛腕伝説
13
闇の片脚、血と雪、芒、巾着きり、燈籠流し、神隠し、端午の節句。当初連載は少年サンデーだったのが、途中から成年向け雑誌ビッグコミックに変わった。少年漫画では描ききれない、男女の機微や異常な性癖を描けるようになり、『佐武と市捕物帖』も円熟味を増し、奥の深いものになっていったとの事。少年誌には宿場女郎や堕胎の話は描けないものね。2022/10/10