内容説明
川田幸代29歳は社史編纂室勤務。姿が見えない幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、ダイナマイトボディの後輩みっこちゃん、「ヤリチン先輩」矢田がそのメンバー。ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌製作・販売)に没頭するはずだった。しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。決断の時が迫る。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
521
しをんさん、こんな作品も描いてらっしゃったのね。とは言え紐といてみれば、お仕事小説であり、ちょっとだけBL小説も楽しめ、紙や印刷に対するこだわりも感じられ。とても楽しかったです。登場人物たちもみんな魅力的で。ひょっとしてご本人は、幸代にご自分を投影されてたのかもな。2018/11/11
またおやぢ
513
大人の為のお伽話。そんなん有り得ないよなぁ~と思ったら先に進めない。いいなこんな日常も…と思うと登場人物達が急に身近に思えるから不思議。そんな一冊。2014/08/16
ehirano1
401
社史編纂室に興味があったのと、著者があの三浦しをんさんということで手に取りました。 “寂しいけど楽しい”、このフレーズが心象に残りました。また、途中挿話が何回も入るのは「モダンタイムス(伊坂幸太郎)」を思い出しました。2019/07/07
にいにい
373
久々の三浦しをんさん。登場人物のキャラが半端じゃない。面白い人々が、会社の過去の闇に挑んだり、恋愛、結婚に悩む話なのだが、主役は、社史編纂室に勤める腐女子。仲間と三人コミケにBL同人誌を出すことを生きがいにする設定は、流石。社史編纂では、同僚みっこちゃんの天然も魅力的。サリメニの部分は、今一つだが、全体から創作の面白さが伝わり、コミケ、オタクの文化も今後更に伸びるのが分かる。三浦さんのいろんな面を楽しめた一冊。面白かった。2014/03/25
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
324
商社で社史をつくる部署に所属する女性、川田幸代が主人公のライトな物語。仕事もそつなくこなすけど、彼女のライフワークはBL小説と同人誌の発行。「人生の過半数の年月がオタクなんだから、もはや趣味なんかじゃない。人生そのものよ!」と熱いセリフを叫んだりします。これは作者の魂の叫びか。仕事で会社の歴史を調べるうちに謎の空白期間を発見し、さらに調査を続けると行く手を阻む存在が現れます。それが「ほどほど」だった仕事への情熱に火をつけ、やがてオンとオフの境界線もあいまいになるほどに。物語への愛が炸裂する女性たちの物語。2014/07/25