出版社内容情報
内容は後日登録
内容説明
「ありとあらゆるものを分解する」分解者。分解の対象は銃、人体、そして…(『分解』)。音の神が「最初の一滴の音」を求めて町をさまよう。音神がそこに見つけたものは(『音神不通』)。雑誌掲載後、長らく入手不可能となっていた五本の中短篇を初収録。他に、古代史の世界を舞台に男たちの生き様を描く『童貞』『ピュタゴラスの旅』などを加え、酒見賢一のエッセンスを凝縮した一冊。
著者等紹介
酒見賢一[サケミケンイチ]
福岡生まれ。1989年に『後宮小説』で第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。1992年に『墨攻』『陋巷に在り』『ピュタゴラスの旅』で中島敦記念賞、2000年には『周公旦』で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
51
8つの短編集。最初の2つが好みで「ピュタゴラスの旅」では音楽は数理であり哲学であり魂でもあることがわかる、旅が人生そのもののピュタゴラスの物語。「エピクテトス」:奴隷でずうずうしい乞食のような者であるがそれでも神々の友であるという出だしが強い意志を感じる。2015/11/24
まつじん
14
一言で言うと”変な小説”を集めた短編集といったとこでしょうか。表題作はファンタジーというよりかSFちっくといいましょうか、ちょっとグロテスクでもあります。2010/10/29
TANGO
12
図書館本。後宮小説の著者の作品。濃密な短編集。読み解き方が難しいものもあって、読者を選ぶのかも。ピュタゴラスとエピクテトスの話は、興味深い。軽快さのある泥つきのお姫様は、私の知っている作者の作品に近く、読みやすかった。2013/08/20
花太郎
8
8編入った短編・中編集。その内3話は読んだことありましたが、分解が読みたくて買ってみました。なのに銃の分解のとこだけ3日かかっても寝ちゃって進まないので読み飛ばしてしまった。意識の分解は楽しかった。「音神不通」と「泥つきのお姫様」は好みでした。でもずいぶん昔に読んだ「童貞」が一番夢中で読みました。酒見さんの描く神とか呪術とかは圧倒される。「陋巷に在り」を読み返したくなった。2015/07/03
あつ子🌼
7
再読。標題作は世にも奇妙なテイストの物語(好き。) 古代世界を舞台にした作品2編も読みごたえたっぷりで、贅沢な一冊です。 ああ、やっぱり酒見作品いいな。2018/11/26