内容説明
マキャベリの名著『君主論』を武器にクラス制覇へと乗り出した小学五年生のひろしくん。だが、彼の前に権力への野望を持つ恐るべき子供たちが立ち塞がる。『君主論』はひろしくんを覇王へと導くことができるのか？小学生の権力闘争を舞台に楽しく学べる『君主論』。クラスを牛耳りたい良い子のみんなも、お子様に帝王学を学ばせたい保護者の方も、国家元首を目指す不敵なあなたも必読の一冊。
著者等紹介
架神恭介［カガミキョウスケ］
１９８０年生まれ。広島県出身。早稲田大学第一文学部卒。作家、フリーライター
辰巳一世［タツミイッセイ］
１９８１年生まれ。静岡県出身。横浜市立大学大学院国際文化研究科修了。２００７年、メーカーに就職（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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WATA
97
君主論の秀逸なパロディ。おふざけ要素と、君主論のエッセンス解説とがうまく交じり合った奇跡のような本。「もし小学生が全力でクラスリーダー争いをしたら」というテーマで君主に必要な行動・態度を解説しているが、その内容がすごい。裏切り・懐柔・下克上など、自らの仲良しグループの勢力を広げるためにリーダー同士が知略を尽くした抗争を繰り広げていく。遠足、ドッチボール大会、そして給食のプリンがこんなに恐ろしいものだとは…。劇画調の挿絵も本書の内容にすごく合っている。読み終わった後、元になった君主論も読みたくなる１冊。2014/07/24
佐々陽太朗（K.Tsubota）
83
凡人は専門的な書物を読むよりも、その道の専門家からレクチャーしてもらったほうが手っ取り早いし、かえって真髄に触れることができるものだ。誤って理解するリスクも避けられよう。子供向けに書かれた本『君主論』は私にとって甚だ有用な書であった。 「ハイエナりょうこ」の異名を取るりょうこちゃんの政略や姦計も怖いが、そうした題材をふくろう先生の講義を受けてマキアヴェリズムをぐんぐん習得していくはなこちゃんが一番怖い。クラス制圧を目論む彼女にとって、他のクラスメートは愚民どもでしかない。怖い。怖いけれど笑える。 2021/04/29
ちはや＠灯れ松明の火
67
弱肉強食群雄割拠の学級戦国時代、天下統一成し遂げんために何を成すべきか。さあ、よいこのみんなも考えてみよう。君主たる者愚民どもを掌の上で転がすことで統治しかつ領土拡大に勤しむべし。そう、友達百人つくるには裏工作や根回しなどの姦計を用いるんだね。互いの腹の内は隠しつつ裏の裏まで手を読みながら疑心暗鬼に火を点けよ。うん、人の心は弱くて狡いものだから、空気を読ませ立ち位置を変えさせるのも腕の見せ所だね。信義とは他者に対して守るものではなく己の心にのみ誓い貫くものなり。そうさ、最終勝利者こそが正義となるんだよ。 2012/05/20
harass
66
この作者の才能は知っていたが、ちょっと狙い過ぎかという気持ちもあり、積読を続けていたが手に取った。マキャベリ「君主論」を小学生向けの教材と書き直したと想定した本。五年三組の覇権争いを、はなこちゃん、たろうくん、ふくろう先生が解説しながら君主論の内容を踏まえていく。君主論は引用ぐらいしか知らなかったので個人的に確認できた。まあ、ツッコミどころの脇が開きっぱなしだがそこもニヤリとするところか。良書。『ふくろう先生「良い質問だね、たろうくん。マキャベリは、もし人間がみな良い人間ばかりであれば、2022/09/10
Ｋ
44
名前は知ってるけど読んだ事の無い君主論。それを小学5年生のクラスの覇権争いで解説してるのだがめちゃめちゃブラック。でも切り口が斬新で面白かった。2016/04/29
