出版社内容情報
内容は後日登録
内容説明
女という異性を通して人間を視ることができた人。
目次
こがね虫より
水の流浪より
鮫より
落下傘より
蛾より
女たちへのエレジーより
人間の悲劇より
ILより
若葉のうたより
愛情69より〔ほか〕
著者等紹介
金子光晴[カネコミツハル]
1895‐1975。愛知県津島の生まれ。早大、東京美術学校、慶大をいずれも中退。二十四歳のときヨーロッパに渡り、イギリス、ベルギーを放浪。帰国後、象徴詩的な作品による「こがね虫」を出す。昭和3年、再び渡欧、足かけ五年フランスなどに滞在、帰国して発表したのが代表作の「鮫」。ほかに詩集「蛾」、自伝「詩人」など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
47
世界観に圧迫されそうになりつつ、引き込まれました。金子光晴の言葉はそれだけ力と迫力があるのですね。2022/03/26
優希
34
再読です。女性をテーマにしたものが多く、女性を求めていたのだと感じられてなりません。だからこそ美しく、世界観に狂わされてしまうのだと思います。2023/10/27
かふ
20
茨木のり子の解説。金子光晴の言葉は女性をテーマにしたものが多いのは、女性を求めながら女性ととことん付き合い女性のまなざしによって世界を眺めた。その中で腐敗していく不浄をきよめる生理のような言葉を吐き続けた。「その中に賛嘆、憧憬、嫌悪、侮蔑、あんぐり驚愕、愛惜、未練、嫉妬、コキュの味、退廃をさえたっぷり含み、はては孫娘をみる祖父のまなざしまで加わり、あらゆるものが出揃っている。」(同書「女へのまなざし」茨木のり子)2022/06/25
ゆきえ
10
金子光晴の詩はどきどきする。ときめく。バランスがよい。あやうい感じ。自伝を読んで思ったのは、自分は金子光晴とは違う人間だ、ということ。詩がとても好きなので違うタイプの人間だと感じることはちょっと寂しかった。この人の前に立ったら、自分という人間をすべて見透かされるような気がしていたたまれないだろうな、というようなことも感じた。後半の小説はいまいちなところもあった。おもしろいのだけど、もっとおもしろく書けるだろうに…という不満を感じた。それでもやっぱり最後の詩を読んで、素晴らしい!と、満足した。2014/07/02
bouhito
5
前半の詩が素晴らしい。巻頭に収められている詩の題名が、まさに私の年齢についての詩だったので、余計にびびっときた。金子光晴はどうやら放浪型の詩人である。しかし、西行や芭蕉や井月や、あるいはほぼ同時代と言っていい山頭火らと違うのは、光晴が世界を股にかけた放浪をした男であるということだ。2015/10/25