内容説明
禅は世間の常識を疑ってかかる。この世で生きていくうえで常識はたしかに必要だが、それは往々にして私たちの精神を不自由にもする。禅が何より大切にするのは、心を解き放つこと。常識に潜む邪気に無邪気で向き合うのだ。禅語と呼ばれることばの数々には、そうした禅の真髄が意味深長に、ときに韜晦まじりに表れている。自然と和しながら人為の常識を覆す禅語の宇宙、その豊饒を、高僧の墨蹟と達意の文章で綴る。
目次
年新た
春立つ
夏来り
秋を訪う
冬篭もる
無季
著者等紹介
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年福島県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1983年より臨済宗大本山天龍寺専門道場で修行。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。「中陰の花」で第125回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coldsurgeon
3
禅は常識を疑ってかかる。常識はこの世で生きていくうえで必要なものだが、往々にして私の精神を不自由にする。禅が何よりも大切にするのは、「放下」心を解き放つこと。常識に潜む邪気を無邪気で向き合う。禅語には、そうした禅の神髄が意味深長に、時に隠れるように表現されている。人為の常識を覆す禅語の豊かさが、とても快い。2014/08/21
Hideki Ando
1
『禅語遊心』という題名がまたよい。各月ごとに禅語を解説していくというスタイル。墨書もあちこちに入っていて、お得な一冊ではないだろうか。たまには禅語にふれ、「遊」んで見たいと思う。2014/07/02
彩美心
0
どの禅語も素晴らしい。禅はやっぱりいいなぁ。生きる指針を与えてくれる。図書館で借りたが、この本買おう。何度でも読みたい本だ。2016/07/15
sa-ki
0
月別に禅語を分かりやすく解説。禅の精神を理解するのは難しいけど、禅の個人主義は私に合ってそう。言葉で季節感を感じられるのもいい。2009/02/01
SOLVEIG
0
時々読み返すというか列車移動等外で待ち時間が有るような時によく持って出る。 気の向くままにあちらこちらとさまよってみると、ふと以前気付かなかった面白い部分を見つけたりする。 『邪気に正義で対抗しようとして、潰れる人もいる(P14)』ってなんか、スター・ウォーズでダークサイドへ入ってしまうってこういうことかな――とか。