内容説明
子供にも大人にも大人気のムーミン。その魅力の源泉はどこにあるのだろう。さりげないユーモアやアイロニーを滲ませた独特のキャラクターたち。決して予定調和に陥らない物語の面白さと不思議さ。本書は、ムーミンシリーズから特徴的なエピソードを選び出し、キャラクターごとに解説。入門書の決定版であるとともに、大人のファンにも読み応え十分の謎解き本でもある。図版多数。
目次
ムーミン家族
ムーミントロール
ムーミンパパ
ムーミンママ
ちびのミイ
スニフ
スノークの女の子とスノーク
フィリフヨンカ
ヘムル
ニョロニョロ
モラン
スナフキン
トゥティッキ
スクルットおじさん
著者等紹介
冨原眞弓[トミハラマユミ]
1954年生まれ。聖心女子大学哲学科教授(フランス哲学)。89年にヤンソン作品に出会い、原著を読むためにスウェーデン語を習得。以後、ヤンソン作品の翻訳・研究を多数手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
47
ムーミン谷で暮らす仲間たちの魅力について翻訳者の冨原さんが掘り下げて書いています。それぞれが自分の考えや感性で自由に、でもやさしくつながり合って生きていて、どの仲間にも共感できます。ムーミンママのおおらかな愛情、ムーミントロールのまっすぐな性格、スナフキンの他者を受け入れることができる自由と孤独…。 ムーミンのシリーズは牧歌的な雰囲気の話かと思いきや、戦争や自然災害などを乗り越えて生きてきた北欧の歴史や文化が背景にあると、もう一つのひみつ。 ちなみに我が家のカレンダーは毎年すてきなムーミンの絵です。2012/07/02
shikashika555
45
あの「ひと癖ある人間ばかりが集まって、それでもなぜかそこそこ上手く物事が進む」ムーミン谷のキャラクターを、愛情と鋭さをもって分析と解説をする。 こうやって読むと、若い頃は単にワケノワカラナイ頭のおかしな人であったスクルットおじさんも、何を考えてるのかつかみにくくムーミン谷からさえも浮きまくっているトゥティッキも、そうであったのかと理解するきっかけになり 彼らへの共感と愛情を自分の内に感じることができる。 やはり歳はとってみるものだ。 そして、先人達が素晴らしい本を残してくれていることに感謝いたします。2020/06/22
葵@晴読雨読
28
最近、ムーミンにはまっているのでBOOK・OFFで買って、読んでみた。これがなかなか面白い!2015/11/11
kaori
28
ムーミン シリーズを読む前にこちらを読んでお勉強。アニメ観てたはずなのに、知らない事が多すぎて笑っちゃいました。2015/02/27
コジ
23
★★★★☆ ムーミンシリーズの翻訳者による解説書。ムーミン親子やチビのミイ、スニフ、スナフキンなと、主要なキャラクター達の説明を通して物語の背景を解説。ムーミンシリーズは単なる子供向けの物語ではなく、当時の社会に対する作者のメッセージが随所にちりばめらいること、最初に書かれた物語の暗さは戦争の爪痕が残っている時代に書かれたことなど色々納得。まだ全巻読み終えてないお陰でちょっとしたネタバレもくらうも、この本の解説を頭の隅に置きながらシリーズを初めから読み直ししたくなった。2022/12/07