内容説明
歓びも悲しみも、そして眼前に広がる世界のあり様も―人生のすべては物質である脳の中の現象にすぎない。ならば、脳とは私にとっての牢獄なのか。脳内現象である人間の心とは何か。この難問に挑むには、自身の脳がとらえた世界をより深く「感じる」ことから出発する以外にない。本書は、怜悧な科学的知性と熱情あふれる文学的感性とを駆使して新たな世界像を描く試みだ。著者の純粋な出発点に位置する記念碑的エッセイ。
目次
第1章 人生のすべては、脳の中にある
第2章 存在と時間
第3章 オルタード・ステイツ
第4章 もの言わぬものへの思い
第5章 救済と癒し
第6章 素晴らしすぎるからといって
著者等紹介
茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年東京都生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京工業大学大学院客員助教授。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専攻は脳科学。「クオリア」をキーワードに、心と脳の関係を探究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はすのこ
8
唯脳論…ですねぇ。唯脳論には浪漫がない。僕はロマン主義者なので、味気ない思想だなぁと思いますね。2016/04/05
うーさん
7
メディア等でもお馴染み、脳科学者茂木健一郎さんの死生観に関するエッセイ。読みやすい文章なのだが、読者に問うている内容は深い。「自分の墓などいらない」という考えに、茂木さんの人生の一回性に関する覚悟が伺えた。死を常に意識して生きることが、人生を輝かせる為には必要不可欠であると再認識した。2013/09/03
Mitsuaki Kitagawa
3
茂木さんの上質なエッセイ。2018/07/31
10416
3
難しくて斜め読みした部分もあったけど興味深く読んだ。『もの言わぬものへの思い』が感慨深く考えさせられたし、自分の中にも同じような感覚があった。おーし!毎日がメスグロヒョウモンの日々!2013/04/12
あじ
3
読み終えてふと眼を上げたら、この一瞬一瞬が「メスグロヒョウモンの日」に思えてキラキラして見えた☆2012/06/29