ちくま文庫
異端―金子光晴エッセイ・コレクション

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480422026
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

「歴史はふしぎに反転し、その方向はどんなに逆戻りするかしれない」と現在を予見していた光晴。彼は、「天の邪鬼」「詩人失格」を名乗りながら、「日本人」「詩人であること」を探究し続けた。戦前・戦中に書かれた詩集『鮫』や「落下傘」などの反戦詩にこめた思いと技法。そして、老年に書かれた「通俗」詩「凡例―おとみさんに。」にこめた心意気。

目次

1 僕にとっての詩(私と詩;僕の詩―私の詩作について ほか)
2 わが詩の隣人(時間をかけて、わがままに;過渡期にあって ほか)
3 日本人の性癖(日本人について;実用ということ ほか)
4 日本人の歴史(日本人とは;江戸につながるなにものもなく ほか)

著者等紹介

金子光晴[カネコミツハル]
詩人。1895年愛知県生まれ。1919年、処女詩集『赤土の家』発表後、渡欧。’24年、森三千代と結婚し、’28年アジア、ヨーロッパへ。’32年帰国。抵抗詩人と呼ばれる。’53年『人間の悲劇』で読売文学賞受賞。’75年死去

大庭萱朗[オオバカヤアキ]
1962年北海道生まれ。出版社勤務を経て、文芸評論家・フリー編集者として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kinkin

72
「はたらくことについて」というエッセイの冒頭に、人間は働くために生まれてきたのではない。できるだけなまけて安逸を享受するために生きているのだ。と書かれていた。読んでいくとまさに現在の競争社会、格差社会にも同様のことをいっていると思う。祖国愛だとか、同士愛だとかいうあやしげな感動を人間からなんとかなくしてもらえないか。とも書いていて、思うに口先だけの絆やコミニュケーションがそれは特別なことのように世にはびこっている。そんなことを1972年当時に書いていたのだ。この日本人の性癖という章は再読に値す。いずれまた2018/12/01

hiratax

1
金子光晴のエッセイコレクションは速攻絶版になったようで、古書価格は高い。最後の一冊はバンコクで読み終えた。全集も手元にあるので読んでいこう。2017/01/01

encore

1
彼の方法が今も有効だとは思わないけれどそれでも勇気づけられるところは多々ある。同族嫌悪にとどまらない嫌悪があるということ。書くことでのみ肯定することのできる出自があるということ。たとえば人間という出自を。2014/07/06

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