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ちくま文庫
ほんものの魔法使

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  • サイズ 文庫判/ページ数 315p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480421845
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

世界じゅうの魔術師が集まる町マジェイアに、ある日犬を連れた旅人が現れた。アダムと名乗り、町で出会った少女を助手に、魔術師名匠組合加入のため選考会に参加する。事前審査は見事にクリア。しかし彼のマジックのネタが、分からない。みんな不安になってくる。彼はまさか…?不穏な空気の中、本選が始まる。ほんものの魔法とは何か。ユーモラスで愛に満ちたファンタジー。

著者等紹介

ギャリコ,ポール[ギャリコ,ポール][Gallico,Paul]
1897‐1976。ニューヨーク生まれ。スポーツ・ライターを経て作家となる。自由闊達な想像力と知性を感じさせる作品にファンも多い

矢川澄子[ヤガワスミコ]
1930‐2002。東京生まれ。作家・詩人・翻訳家。東京女子大学英文科を卒業後、学習院大学独文科在学中に同人誌『未定』に参加。59年、仏文学者で作家の澁澤龍彦と結婚。68年に離婚(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アン

92
魔法の都に、言葉を喋る不思議な犬モプシーを連れてやって来た青年アダム。彼は街で行われる魔術師の試験に少女ジェインを助手として迎え出場することに。有能で厳しい審査員、びくびく者の志願者、アダムの独創的な手品、不可解なモプシーの失踪とアダムへの疑念。ピクニックで、手品の仕掛けを知りたがるジェインへアダムが投げかける言葉が心に響きます。神秘的な命の営み、誰もが持つ奇蹟の箱をあける鍵。モプシーが頼もしく、ユーモラスで信頼と愛情に満ちた優しいファンタジー。自由に舞う蝶、花咲く白いバラ、ジェインの胸には軽やかな歌。 2021/01/28

あさうみ

47
ポール・ギャリコ。好きな作家のひとりです。ファンタジー色に、ちらりと社会風刺を訴える。排他的な考えは自分の首をしめてしまうと、この作品を読んで言い聞かせています。いろんなものの見方をしないとね。あと、モノ言う毒舌わんこが大好きなのです。70歳くらいのギャリコが書いたと思うと瑞々しさにきゅんとしてしまう。2019/11/20

yumiha

42
Magicは、「魔法」であり「手品・奇術」でもある。勘違い(?)アダムは、魔術大会に参加したけれど、それは種も仕掛けもある魔術の方だった。アダムは、タイトル通り「本物の魔法使い」だったのに。そりゃモメますわな。って、そのモメたところがお話になるんだけど。アダムの連れモプシーは、しゃべる犬で、お話を盛り上げてくれる。アダムの語る「本当の魔法」は、なるほどと思った。当り前と思って見逃してきた物事の中にも魔法はある!というメッセージがいい。2021/09/21

31
魔法は世界のいたるところにある! なんて素敵な台詞だろう。 ともすればここに、そこに、あなたがいることだって素敵な魔法の産物。 わたしにも魔法の箱をまだ開けられるかな。 モップのようなモプシーとってもかわいかった。今日の秋晴れのように澄んだ物語2014/09/11

コジ

30
★★★★★ 魔法使いアダムが訪れたのは、手品師達が暮らす街マジェイア。種も仕掛けもあって然りと思っていた人々が本物の魔法使いに出会ったら・・・。飄々とした風貌の主人公アダム。相棒のものいう犬モプシーなど主要な登場人物を見ると単なるドタバタ劇ふうのファンタジーかと思いきや、アダムを通じて「ほんものの魔法」とは自然の中にあり、すべての生き物が様々な魔法を使ってこの世界を形作っていると説いたり、マジェイアの人々を使って人間のエゴや弱さ、そして自然を愛でる心の美しさ語ってくれた。実にギャリコらしい作品だった。2018/12/26

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