内容説明
決着をつけましょう―。当代を代表するフェミニスト二人が、フェミニズムについて徹底的に語りあった。「夫婦別姓は支持しない。」「リベラリズムはフェミニズムの敵である。」「援交と新・専業主婦は、家父長制につく白アリである。」「老後は女どうしで、という欺瞞。」…etc.今、あなたのフェミニズム観は、根底から覆る。
目次
大阪公開対談―小倉千加子、六年の引きこもりから復活すること(「フェミニスト」とは誰のことか;女知事の登場は「フェミニズムの勝利」か?;林真理子はフェミニストか;代議制民主主義ほどフェミニズムから遠いものはない;少子化は女の復讐か ほか)
東京密室対談―他のフェミニストたちにはとても聞かせられないこと(主婦のフェミニズムとは?;ウーマンリブとフェミニズム;八〇年代フェミニズムの正体;専業主婦とフェミニズムは結託できるか;性的自由は自由の根源 ほか)
著者等紹介
上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年、富山県生まれ。東京大学教授。専攻は社会学。“風をきって先頭を走る”フェミニズムの旗手
小倉千加子[オグラチカコ]
1952年、大阪府生まれ。医学博士。心理学者・評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GAKU
65
最近読んだ本がきっかけでフェミニズムに興味を持ちまずはベタな題名のこちらを選んで みました。上野千鶴子さんと小倉千加子さんの対談を原稿化したものです。今まで私がイメージしていたフェミニズムと、実際は結構違うのだなというのが第一印象。そしてフェミニズムとは単純に一括りに出来るものでは無いもの。そして自分が生きて行くという事に関して、フェミニズムという主義?思想?に共鳴出来る点があると教えてくれた。また何故男である私がフェミニズムに対して嫌悪感を持つのかも教えてくれた。もう少し関係する本を読んでみたい。⇒ 2017/05/02
秋 眉雄
16
フェミニズムがますます分からなくなる一冊であり、分からないこと自体を肯定してくれる一冊。対談はそりゃそうですよ合戦の様相を呈していて緊張感がありました。解説の遙洋子さんが上手いこと引分裁定を下しています。2022/05/12
みんと
12
上野千鶴子さん、小倉千加子さん、両者ともに辛辣で歯切れもよく、お互いに遠慮することなくフェミニズムを語っている。 フェミニズムとウーマンリブの違いがよくわかった。 結婚観や世間で一般にフェミニストと呼ばれている人達でも一人一派というように微妙に考え方も違う。 実際にこれが正しいという定義はないのだろう。 本書で紹介されている吉澤夏子さんや石原里沙さんの本も読んでみたい。2014/04/06
Shiori
6
制度って怖いなぁと受け入れられる内容もあったり、そんなに性の解放って求められてる??と疑問に思ったり、、まぁフェミニズムは人それぞれ、だからいいのかな。前ほど結婚に執着がなくなったり弱者のための制度、ということに納得したりもしたけれど、、、本人たちが幸せなら、続く保証なんてないかもしれないけれど、まぁいいんじゃない?って思うけど、、2017/01/12
OjohmbonX
6
フェミニズムって固定的な結論じゃなくて理念だから(イズム一般がそうだけど)、理念×現状=結論(手段)で、現状認識が変化する以上結論も変化していく。その変化を、例えば70年代のウーマンリブからどうフェミニズムが出てきて、どう国家に回収されたりされなかったりして現在(01年)どうか色々な面で話して面白い。上野の方が実態/形式/理念を分けて把握する方針、小倉の方は未分化にする方針に見える。零れ落とす覚悟で構造を把握する方針に個人的には共感する一方で、未分化なところから勘で苛立って活性化させるのも面白いと思った。2015/05/29