内容説明
ドイツ・ロマン派の天才的な詩人・哲学者ノヴァーリスの多岐にわたるテクスト群を、本邦初訳も含む新訳で編む文庫初のコレクション。第1巻は、澁澤龍彦も愛した自然研究の記念碑的小説「サイスの弟子たち」ほか、「花粉」、「断章と研究1798年」、「フライベルク自然科学研究」など、哲学・詩・科学をめぐる鋭く深い考察の数々を収める。
目次
サイスの弟子たち
花粉
対話・独白
断章と研究 一七九八年
フライベルク自然科学研究
解題
著者等紹介
ノヴァーリス[ノヴァーリス][Novalis]
1772‐1801。ドイツ・ロマン派の詩人・哲学者。本名フリードリヒ・フォン・ハルデンベルク
今泉文子[イマイズミフミコ]
東京大学ドイツ文学科博士課程満期退学。立正大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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iwri
5
再読。訳者の今泉氏のあとがきにもあるように、本書を読めば「夜と夢と病の詩人」というノヴァーリスイメージが、いかに一面的であるかがわかるだろう。とりわけ、思考課題という概念にみられるように、思考を体系的で固定的なものではなく、脱中心化する無限の生成プロセスとして捉えることが、一つの中心的問題だと言える。断章形式や会話形式自体が、そのような思考を触発するものとして構成されている。刺激-反応型の関数ではなく、オートポイエーティックな思考システムの作動―常に新しく生成する思考の経験を動かすことが目指されていると言2011/09/21
kazu
3
サイスの弟子、花粉、様々な断章から成る1巻。断片的思考の構成するものは何であるか。批評において批評する作品と同等の作品を作り上げる技量、才覚がなければ真に批評することはできないのではないか。モーツァルトとサニエリの関係が個人的に浮かんできた。真の芸術を真に自分の感覚の中に捉えるという事は簡単な事ではない。体験という感覚がなければ、音楽であれ、絵画であれ、真に理解することは難しいことだろう。ノヴァーリスはそのような困難を承知した上で、自らの思考を展開し、深みへと極めていこうとしたのではないだろうか。2018/06/21
Auristela
0
なんか、こそばい。2017/05/02