内容説明
革命で英国に避難していたフランス人貴族が、王政復古で妊娠中の妻を捨てて帰国。失意と貧しさの中で生まれた双子の数奇な運命がドラマティックな「流の暁」。偶然拾った一本の針から殺人事件を解決する「探偵」が魅力の「車中の毒針」。当時流行の幻燈を使い、見事、冤罪をはらす「幻燈」。父殺しの犯人を追い逆に罠にはまる娘とそれを助ける若者。予断を許さぬ展開が面白い「かる業武太郎」。全4編。
著者等紹介
快楽亭ブラック[カイラクテイブラック]
1858(安政5)年、オーストラリア、アデレードに生まれる。6歳で来日、講談師を経て落語家になり、快楽亭ブラックを名乗る。1893(明治26)年に帰化、西洋噺で大人気になる。探偵小説ブームに乗って速記による探偵小説を多数出版。落語以外にも歌舞伎、手品、催眠術など多芸を誇ったが、10年ほどで人気が落ち、失意のうちに1923(大正12)年死去
伊藤秀雄[イトウヒデオ]
1925(大正14)年川崎生まれ
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