内容説明
「えー、人間というものは、どういうもンですか、この…大なり小なり自惚(うぬぼれ)というものがあります。自分は、なんでも悪くないという考えがあるから…つまりは、自惚なんですな」江戸の人間模様を独特の語り口でしみじみ聞かせる至芸の人情噺全十四席。
著者等紹介
古今亭志ん生[ココンテイシンショウ]
1890年、東京神田に生まれる。本名美濃部孝蔵。初代小円朝門下の朝太をふりだしに1939年、5代目志ん生を襲名するまでに改名16回。若いころは酒と奇行で知られ、戦後は実力、人気ともに落語界の第一人者となる。落語協会会長をつとめ、紫綬褒章、勲四等瑞宝章受章。1973年没、83歳
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感想・レビュー
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toshi
7
唐茄子屋政談、中村仲蔵、淀五郎、井戸の茶碗、もう半分、江島屋騒動、おかめ団子、抜け雀、おせつ徳三郎、佃祭、千両みかん、しじみ売り、文七元結、塩原多助一代記。2015/12/29
もえぞう
3
志ん生がやった人情ばなしを集めた本です。人情ばなしなので笑いが少なめでサゲも無いはなしもあります。読んでいて意味がわからない事もありましたが、なかなか面白かったです。2022/11/13
ともぞう
3
志ん生の語り口そのまま文字に起こした落語集。人情ばなし、気持ちのよい噺満載。自分も窮地にいるのに目の前の困っている人に手を差し伸べる噺とか、親のために泥棒に入ろうとした若者の心意気に、泥棒に入られた家の主が惚れ混んで婿にしようという噺とか、「困ってるヤツを棄て置いちゃあ寝覚めが悪りぃや」くらいの感覚で、法より情!ルールより心意気!とツッコミどころも満載だけれど(笑、気風の良さが何とも粋で憧れてしまう。いいなぁ。馬鹿正直三つ巴な「井戸の茶碗」は中でもお気に入りの噺2017/01/26
茶々太郎
3
時間があるというのはありがたいなぁ、としみじみ感じつつ味わう。語り口が思い描ける「聞き書き」という方法がもっとも合うのが本作の「人情噺」ではなかろうか。堪能。2016/07/28
しょうちゅう
1
心の底から癒される。いい話ってうさんくさいけど、人情話がすんなり心に入ってくるのは、やっぱ時代劇というファンタジーだからなんだろうな。2013/11/04