ちくま文庫<br> 第三の書―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈3〉

電子版価格
¥1,430
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

ちくま文庫
第三の書―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈3〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 597p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480420572
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

フランス・ルネサンス文学を代表する作家ラブレーの記念碑的大作、待望の新訳第3弾。平和な時代を迎え、領主となったパニュルジュは、またたく間に財産を蕩尽、借財を抱えながら「借金礼賛」論議を展開。さらに、結婚を決意するもふんぎりがつかず、物語空間は、夢や占いをめぐっての、めくるめく言葉のアリーナと化してゆく。有名な“たまきんブラゾン”も登場、浄められたワイズフールの世界の豊饒な魅力。

著者等紹介

ラブレー,フランソワ[ラブレー,フランソワ][Rabelais,Francois]
1483?‐1553。フランスの作家・医師。モンテーニュとともに16世紀フランスを代表する文学者。トゥーレーヌ地方シノンに、弁護士の末子として生まれる。フランチェスコ会修道院に修道士として起居し、哲学・神学を学ぶかたわらギリシャ語を独習。1528年ごろパリに上る。30年秋、モンプリエ大学医学部に登録。32年にリヨン市立病院に勤務、医師・古典学者として第一歩を踏み出す

宮下志朗[ミヤシタシロウ]
1947年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授(言語情報科学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

92
一巻、二巻ときて、少しパワーダウンしているようだ。この時点で、作者はフランス国王のお墨付きで贋作や勝手に内容を変える禁止令を得ている。糞便、おしっこときて、三巻では性が話題。といっても、パンダグリュエルの一番のお供、パニュルジュが結婚を夢見る話。下品に見えて、パニュルジュは頭でっかちで先に進まず、パンダグリュエルも巻き込んで花嫁占いに悩み、嫁を寝取られることを心配してばかりいる。さいごまで、主人もお供にも嫁は見つからぬまま。さて、四巻では身は固まるか!2015/06/15

かんやん

31
前作までの巨人のデカさのこれでもかという数値的強調だとか、痛快無比な活躍は全く消えて、パンダグリュエルにはもはや賢者の風格が漂い、主役は従者パニュルジュにシフト。ルネサンスの人文主義者の学識(主にギリシャ、ローマ関連)を傾けた百科全書的反教養小説となっている。結婚を望む主人公がありとあらゆる占いで、コキュになると出ているのを信じず、各分野の賢人たちを招いてアドバイスを乞うというのが、たぶん物語の骨格だが、神話や説話の膨大な引用に溺れているうちにしだいに気が遠くなってくる。あれ、一体何の話だったっけ?2020/11/03

fseigojp

7
ここで終わったという説もある コキュの伝統に基づくバカ話は、日本では稀有2020/09/20

りんご

4
パニュルジュの結婚問題について。コキュになるかどうかで、1冊です。2022/10/23

じろ

1
〈彼は、結婚、している〉ということばを聞かされましたら、それすなわち、〈彼はコキュであった、コキュになるだろう、コキュかもしれない、のいずれかである〉p366 ーーというわけで解決不可能な問いなのだ。そうであるゆえ、偶然性に委ねなければならない。そこで、『第三の書』の全体に、フォルトゥナ、占いのテーマが遍在している。それから、法。羅馬法について幾らか理解が必要かもしれない(カフカ同様に)。さらには、新プラトン主義も。訴訟に沢山の時間を費やす癖に判決は賽子で下す判事、ブリドワのエピソードがクライマックス。2014/02/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/566298
  • ご注意事項