ちくま日本文学全集 〈057〉 岡本綺堂 岡本綺堂

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ちくま日本文学全集 〈057〉 岡本綺堂 岡本綺堂

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  • サイズ 文庫判/ページ数 477p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480102577
  • NDC分類 918.6
  • Cコード C0393

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kouro-hou

23
全集57巻目。「半七捕物帳」より5話、「三浦老人昔話」4話、「青蛙堂鬼談」2話、戯曲2篇の編成。半七、三浦老人は一話が収録されているので、額縁構造と二つが地続きである事が初見でもわかるようになっている。百物語形式である青蛙堂は二話から収録なので、好きだった出だしが無く、トップバッターの星崎さんも可哀想w なかなか面白いと思う随筆の収録が無くて残念ですが、結果として主に江戸末期の空気にどっぷり浸れるようになっています。解説の杉浦日向子の、多くの犬死を誇張せず、しかし気品をもって書いている、というのには納得。2016/05/31

かごめ

18
「修善寺物語」の朗読会を聞きにいく予定なので予習のため、手にした。岡本綺堂は初読みではあるが洒脱な作風が心地よかった。半七捕物帳がらみの推理、怪奇小説は怖がらせ方が情景だけでごり押しするのではなく、客観的推理を述べ、そのあとに偶然ではと思わせる謎を残す。大衆文学の走りとしてはレベルが高い。目当ての「修善寺物語」は戯曲で源頼家の最期の修善寺での出来事を描いたもので能面作家の面に対する信念、娘の貫いた生きざまに震える。半七捕物絡みとは別の主観的な生き方が描かれていた。自作を英訳・仏訳・露訳なども手掛けた。2018/05/19

佐倉

12
初岡本綺堂。小説の各シリーズや劇の脚本など様々な作品を摘まみ食いできる。半七捕物帖や三浦老人のシリーズは時代小説でありながら(当時の)現代小説でもある。懐かしい過去を描きながら過度にエモーショナルではない、地に足ついた雰囲気は現代の時代小説には無い(描けない)もののように感じた。「お文の魂」や「鎧櫃の血」「猿の瞳」「利根の渡」など印象深い怪異譚があったが、日本文学全集ということでどこかよそ行きの感じがあるのではないか。人伝に聞く綺堂はもっとエグい。青蛙堂鬼談の作品は肌に合いそうなので次に読んでみたい。2023/02/04

三平

11
ずるい。岡本綺堂はつくづくずるい。江戸の情緒がまだ残る東京で生まれ、勝海舟などの江戸人と会ったこともある彼ほど、江戸の街や人々の様子を再現した時代小説が書けるだろうか。 記者でもあり、新刊本として出たばかりのホームズを原書で読むようなモダンな人だった彼は旧態依然とした文章でなく、現代を生きる人にもわかりやすいすっきりとした語り口で作品を綴り、時代を越えても読みやすいものに見事に仕上げている。これは極上の時代小説になるしかない。杉浦日向子さんの江戸への恋文のような解説もよい全集。2015/09/20

3
岡本綺堂の代表作を集めたものかな。堅苦しい感じかと思いきや、意外と読みやすくて作品内に惹き込まれる。短編が多いので小休憩を取りながら読めるのでおすすめ。『半七物語』推理物+人情的なやつ。完全な推理物ではないけど、楽しい。『三浦老人』昔話みたいな不思議な話。昔話好きなら楽しめる。『青蛙堂鬼談』いわゆる奇譚。利根の渡の落ちは好き。因果応報って奴。実はこの本を青蛙堂鬼談と間違えて買ったのは内緒の話。←コレも因果応報。次は作品単位で買おう……。『相場の金さん』どこぞやの銀さんっぽい人物の物語。終わりが寂しい。2013/11/30

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