内容説明
脳のはたらきはアナログ的なものなのか、デジタル的なものなのか?コンピューターの開発にも大きく寄与したフォン・ノイマンが数学者の視点から脳のしくみを考察した、最晩年の著書。ニューロンのふるまいとアナログ計算機・デジタル計算機の処理手順を比較しつつ、中枢神経系のふるまいを記述するためのまったく新しい“脳の言語”の可能性を指摘する。電子計算機が登場して間もない黎明期に、天才数学者が試みた先駆的考察。新訳。
目次
第1部 計算機(アナログ計算機の処理手順;論理的制御;数値の複合的な処理手順 ほか)
第2部 脳(ニューロンの機能の概要;刺激基準;神経系における記憶の問題 ほか)
著者等紹介
ノイマン,J.フォン[ノイマン,J.フォン][Neumann,John von]
1903‐57年。ハンガリー、ブダペスト生まれの数学者。ゲッティンゲンでヒルベルトに師事の後、渡米。量子力学、ゲーム理論、計算機科学、気象学など多岐にわたる分野で業績を挙げた
柴田裕之[シバタヤスシ]
1959年生まれ。早稲田大学、Earlham College卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tadashi_N
34
計算機黎明期の、画期的な考え方。集積化が進んで、今の計算機がある。2019/01/04
Koning
29
今となっては完全に古典になってしまったノイマンの遺稿というべき本。でもこれからってとこでお亡くなりになっちゃったので、この先の話どう続けてくつもりだったのだろうか?と気になるので困る(笑)。とりあえずデジタルコンピュータとアナログコンピュータの対比のくだりは楽しゅうございました。OpAmpぐりぐりとか今やらんもんねぇ(あたりまえだ2015/05/29
しゅわっち
18
専門じゃないので計算機の説明は面白くは感じなかった。ただ脳との比較は面白さを感じた。計算機の専門家にも関わらずデジタル万能主義ではなく、アナログの大切さも伝えることには驚いた。今の時代がデジタル万能と考え方がおかしいように感じる。アナログの大切さが振り返る時代が来るのだろうかと思ってしまった。
Kawai Hideki
13
アナログ計算機の説明もさることながら、 キャッシュの説明が「記憶装置の階層の原理」と いう見出しで若干まわりくどく抽象的に書かれている ところに歴史を感じた。 最後のページで、網膜上のたった3段のシナプスで 視覚映像の再構成が行われることから、 「ここには、私たちが論理学や数学で通常慣れ親しんでいる ものとは異なる論理構造が存在しているのだ」と推理しているが、 その先は未完の遺稿となってしまった。その先を読みたい。 2011/12/17
ykoro
9
あのノイマンが亡くなる前の最期に書いた未完の講演用原稿。計算機と脳の比較がなされている。脳の意識などについても言及が有るかと思ってんだか、流石にそこまでは難しく、基本的な内容にとどまっている。2014/08/17