内容説明
『解析入門』をはじめ、すぐれた教科書の書き手として定評のあるラングは、プリンストン大学でエミール・アルティンに学んだ代数学者であった。本書もまた学生向けの教科書であるが、他分野への応用を視野に入れつつも、名教師の平易な解説によって、群・環・体の代数的構造を俯瞰する抽象の高みにまで学習者を誘う。
目次
1章 Rnにおけるベクトル
2章 ベクトル空間
3章 行列
4章 線形写像
5章 線形写像と行列
6章 行列式
7章 スカラー積と直交性
付録1 凸集合
著者等紹介
ラング,サージ[ラング,サージ][Lang,Serge]
1927‐2005年。フランス生まれの数学者。10代のとき家族とともに渡米し、プリンストン大学でエミール・アルティンに学ぶ。ブルバキメンバーの一人。代数学・数論において業績を上げたほか、学生向けのすぐれた教科書の書き手としても知られる
芹沢正三[セリザワショウゾウ]
1920年、東京生まれ。北海道大学理学部数学科卒業。国立東京高専、法政大学、実践女子大、山梨大学などを経て、東京高専名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がりがり君
5
最初からこれ読んどけばよかった。理系の基礎教養なんだな。2016/03/05
Z
4
非数学的なフォロー。ベクトル、行列など数の組に演算を持たせ、それらを数のように扱う。数とはスカラーのことで数の組をベクトルという。数のように扱うのでそれらは通常の数のように写像を定義する。座標を考えると、一つの点(ベクトル)は基底と言われる組の組、とスカラーを掛けたもので表せる。二次元だったら基底としてa(1,0)b(0,1)を選べば、(2,4)などは2a+4bなどと表せる。ここに行列表現が意味をもち(行列はここにかけないが)表したい点をYとし、基底をA,スカラーの組Xとすれば、Y=AXと行列の形にかける2020/07/27
Z
2
良書と思う。欠点、ブルバキメンバーよろしく、直感的な説明が少し少なめ。ベクトル空間、行列式、線形性、部分空間等の進んだ理解は他の書物で補った。いい点はコンパクトに、ここまで知ってたらいいよ、というのを初学者向けに纏めていると思われるところ。線形代数では、アフィン空間(原点のない空間)から始まり、原点を足して線型空間なり距離を定義し距離空間なり作ってなど、のっぺらぼうな空間から普通のユーグリット空間を構成しだすことからはじめる本があるが、ストレートにベクトル、行列の理論から始まり、応用的な話へのジャンプは少2020/05/11
魔魔男爵
1
名文引用:「議論に対するアレルギーを持っている読者は、命題の意味を理解するだけにして、その証明は省略することをすすめる」:理解以前に全部読まなくていいと著者も言ってるので、好きなように読んで楽しもう!大学一年生が想定読者だが、高校の復習もしてるので、高校生以下の人も恐れずに読もう!!行列と行列式の復習だけでもいいんとちゃう。80%以上理解出来なかったが、この本読んで、数学憲法ギャグを思いついた「退化していないスカラー積を持つ個人の汎関数を表現する自由は保障する」200P15行目に誤植があるが校閲者も内容 2017/02/26
がりがり君
0
イメージしてたよりかなり分かりやすかったし題材も多岐に渡ってる。ただし議論がやや抽象的なのが難点。2011/10/03