ちくま学芸文庫
トポロジーの世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 328p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480092397
  • NDC分類 415.7
  • Cコード C0141

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

クラインの壺やメビウスの輪から見えてくる奇妙な世界とは?初心者には難解と思えるトポロジーの考え方そのものは、じつはふだんから使い慣れている「ものごとを大づかみに把握する」という方法とたいへん近い。本書では、初めてトポロジーを学ぶ学生の疑問に答えながら、図とわかりやすい例をひいて直観的にその世界をひもといていき、さらに後半では色や音の受容、記憶など脳の大づかみな仕組みを数学的に捉える。その有効性から瞬く間に現代数学に大きな地位を占めたトポロジー、そのセンスへのやさしい大づかみな入門書。

目次

トポロジーの世界(私たちの世界とトポロジー;トポロジーの曙;平面+1点=球面;トポロジーのものさし;数学は言語である;高次元空間;トポロジー;2人の若者;ホモロジー;最初の金字塔;爆発する未来のために)
頭脳への応用(頭脳への挑戦;頭脳のモデル;記憶と学習;目の話;色彩の話;耳の話;頭脳のトポロジー理論;頭脳とカタストロフィー)

著者等紹介

野口廣[ノグチヒロシ]
1925年東京生まれ。東北大学数学科卒業。のちミシガン大学に留学。イリノイ大学客員教授、早稲田大学理工学部教授を経て同大学名誉教授。理学博士。93年より2004年まで数学オリンピック財団理事長を務め、現在、情報オリンピック日本委員会理事。また、「あやとり」の研究・紹介でも知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まつど@理工

5
前半の導入部は郡敏昭『曲面の不思議』とか理系への数学で連載されていた「4次元の数学」を読んでいたのでさらっと読めた。前半で身に付けたトポロジーの基礎知識を用いて脳の仕組みを考察する部分は興味深い。例えば、自分が横になって英語の朗読を聴いているとき、ある瞬間は日本語を介せずとも意味が理解できるが、次の瞬間に、理解不能になって日本語が一瞬飛び出るが、すぐに英語の世界に戻る。かと思いきや、気づいたら数学のことを思い出して、英語の世界が消滅…。気づいたら寝てたりetcこういう脳内の変移もトポロジーで捉えられるかも2013/12/08

roughfractus02

2
不連続な事象を説明する際にルネ・トムのカタストロフィー理論は連続事象を背景として設定する。本書もトポロジーを脳科学に応用する後半の課題で、連続写像と不動点定理を用いて説明する。この場合、階層化し切れない脳からの説明より、位相空間内の点から点への移動の軌跡を思考と呼べる利点がある。一方、この議論に入る前のホモトピーに至る説明がやや概説的で、カタストロフィー理論の前提が説明しきれていない印象がある。が、スモールワールドやスケールフリーのネットワーク構造を念頭に置くと、50年前のこの議論が読者の今にリンクする。2017/12/05

ヤッジマン

0
トポロジーのイメージを何となくつかめる本だと思う。数学的には優しい。ただ、優しく説明しようとして、結局よくわからない部分があったりする。内容としては第1部と第2部に別れている。第1部は初め、パズルぽくトポロジーのイメージをつかむ。その後集合からはじめて群、ホモロジー、ホモトピーと進んでいく。パズルで、掴んだイメージと群、トポロジーが結び付くのを実際に体感できる内容だと思う。第2部は脳への応用。機械学習が好きな人が好みそうな内容だと思う。トポロジーを応用した脳のモデルを紹介し、学習や知覚を説明する。2017/03/22

Kenta Kitamura

0
前半は感覚的にトポロジーとは何かを捉えられるようになっていて中盤から理論面からトポロジーを説明しており後半は脳への応用やカタストロフィーの説明があって読み応えのある一冊。私のような文系脳には前半はよく理解できないが後半は非常に面白かった。2012/05/14

home alone

0
平易に書かれているが、要所要所で分からない所もある。感覚つかむくらいにはいいかも。トポロジーの脳への応用も書かれていておもしろかった2012/05/12

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