内容説明
ときにまっすぐに核心を射抜き、ときにキワに寄りながら、日本の歴史からさまざまな趣向(数奇)の系譜を見出し、縦横無尽にそのつながりを辿る。梅に桜、唐草や咋鳥といった文様や意匠の系譜、曲舞に能楽、祭りの神興、神社の空間、仏壇のしつらえ、さまざまな名物、利休に織部、茶の湯の文化の仕掛け人たち、はては和算に人口知能…著者の博識に身を委ね、歴史と現在を大胆に横断しながら見えてくる、無常迅速、日本のダンディズムの歴史。
目次
1 日本の意匠(吉右衛門の梅;桜と時代 ほか)
2 神仏のいる場所(中心の移動;説明の庭 ほか)
3 数寄と作文(主客の遊び;茶数寄茶振舞 ほか)
4 江戸の人工知能(和算と条理学;江戸の人工知能 ほか)
著者等紹介
松岡正剛[マツオカセイゴウ]
1944年、京都生まれ。編集工学研究所所長、ISIS編集学校校長。科学から芸術におよぶ多様なジャンルに取り組み、その研究成果を著作・映像・マルチメディアとして発表している。独自の視点による情報文化論、日本文化論に定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こきよ
79
松岡正剛の博識ぶりは宛ら森の様である。森に入ることは誰にでもできるが、抜けるとなると生半可な知識では痛い目にあう。数寄という概念もまた然り。神道や仏教、連歌や茶の湯、或いは浮世絵や能。複眼的な思考を持ち合わせて居らねば、木を見て森を見ずになってしまう。故に面白いとも言えるのだが…只々己の浅学が身に沁みる。2015/02/08
小豆
3
特定の時代やモチーフを論じたものではなく、日本文化に通底する趣向を抽出する著書。数寄とは、「何かの特徴や徴候を梳いて漉いて、好いて透いていくことで、風情や風趣にたいする執心」とのこと。著者の圧倒的な博識にひたすら驚愕の連続だった。日本史、文化史、仏教、茶の湯等の基礎知識が乏しい自分にはその大半が理解できなかったのが悔やまれるが、著者の碩学に身を委ね、知的冒険を堪能できた。時代や文化を学ぶ際に、その内奥にある趣向に考えを巡らせることの重要性が示唆されている。2018/04/25
A.T
3
最近はこの手の本がどんどん出版されて、嬉しいやら悔しいやら。昔、自分が日本画を学んでいた頃にこんな文庫本が手軽に手に入っていたら…今とはまったく違っていた気がする。個々に存在する日本画の系統がスッキリ整理されています。
クリイロエビチャ
2
現代の博覧強記といえば荒俣宏か松岡正剛か。とにかくほとばしる知識の量に、読み手は圧倒されるばかりだ。たぶん、わかりやすくレベルを落として語ってくれているのだろうけど、私にはまったくわからない。文様やらなにやらを微細に解説してくれているのだが、図説が無いので結局どんなもんだかイメージがつかない。こういう本こそ電子書籍で読みたいなぁ。カラーの画像多数ほしいし、わからない言葉はすぐに調べられるし。要するに、この本を読むには読者側にかなり高度な前知識が必要ということ。じゃないと「ほー」という感想でせいいっぱいだ。2013/02/19
うりぼう
2
♪スキ、スキ、スキ、スキ、一休さん。2007/05/20