内容説明
最も重要な「芸術」を問われたなら「美しい家」と答えよう、その次に重要なのは「美しい書物」と答えよう―。19世紀末イギリスの装飾芸術家ウィリアム・モリスは、晩年、私家版印刷所ケルムスコット・プレスを設立する。そこでは活字や装飾デザインから紙作りに至るまで、徹底した理想の書物づくりが追究された。本書は、書物芸術を論じたモリスの全エッセイ・講演記録を収録したものである。産業化社会の中で、美の探究に心血を注いだ「近代デザインの祖」による、理念と情熱が結露した一冊。
目次
中世彩飾写本についての若干の考察―モリス未発表の断章
中世彩飾写本覚書―一八九四年発表のエッセイ
印刷本の初期の挿絵―一八九五年の講演
ゴシック本の木版画―一八九二年の講演
十五世紀のウルムとアウグスブルクの木版画入り本の芸術的特性について―一八九五年発表のエッセイ
印刷―一八九三年発表のエッセイ
理想の書物―一八九三の講演
ケルムスコット・プレス設立趣意書―一八九六年発表のエッセイ
付録
著者等紹介
モリス,ウィリアム[モリス,ウィリアム][Morris,William]
1834~96年。イギリスの装飾デザイナー・物語作家。モリス商会などで製作した壁紙や織物などの作品は、今日も販売・愛用されている。社会主義運動に携わり、民衆文化に基本をおいた総合芸術としての装飾を常に志向した。1877年、古建築物保護協会を創設。1891年、ケルムスコット・プレスを設立、自著やチョーサー著作集など53点の書物が刊行された
ピータースン,ウィリアム・S.[ピータースン,ウィリアムS.][Peterson,William S.]
1939年生まれ。メリーランド大学名誉教授。モリスと書物芸術に関する第一人者
川端康雄[カワバタヤスオ]
1955年生まれ。日本女子大教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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