内容説明
経済史と経済人類学に認識の革命をもたらした巨人カール・ポランニー。彼の名声を不動のものにしたのが、遺著となった本書である。彼によれば、人類史において資本主義社会はむしろたいへん特殊な歴史的構造体であり、その病理と閉塞を乗り越えるためには、より根本的・普遍的社会である非市場社会の原理を摂取する必要があるという。本書では18世紀西アフリカのダホメ王国を舞台に、非市場社会の制度的運営とその原理を実証的に明らかにしている。彼の分析から示される非市場社会の文化と経済の原理は、現在の私たちの世界をどのように照らし出すのか。人類学の記念碑的名著。改訳版。
目次
プロローグ ダホメ王国の経済人類学的意味
第1部 ダホメ王国―その歴史的背景(内陸王朝とベニン分離帯―王国の成立;奴隷貿易の挑戦―王国の展開)
第2部 経済の諸形態―社会における経済的要素の原理(再配分―経済の国家的領域;互酬―相互扶助と協同;家族経済―土地と宗教;交換―孤立していた諸市場)
第3部 奴隷貿易―非市場経済の安定性(ウィダ―貿易港の制度的起源;サヴィ王国―ウィダの君主権と条約;ダホメの貿易港―ヨーロッパとの窓口;虚構のヨーロッパ貨幣―商品取揃え単位の発明)
第4部 古代的経済―結論・非市場経済の普遍的諸制度(古代的貨幣制度―子安貝と非市場経済)
著者等紹介
ポランニー,カール[ポランニー,カール][Polanyi,Karl]
1886‐1964年。ハンガリーに生まれ、第2次大戦後は主にアメリカ合衆国で活躍した経済人類学者。いわゆる未開社会の経済から、近代の資本主義経済までを視野に収めた経済史を論じ、経済や交換に関する人類学的研究に大きな影響を与えた
栗本慎一郎[クリモトシンイチロウ]
東京農業大学教授、大学総合研究所顧問。経済人類学専攻
端信行[ハタノブユキ]
京都橘女子大学教授、国立民族学博物館名誉教授。アフリカ民族学、比較文明学専攻
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