内容説明
北米先住民・ズニ族は、人類学者たちにとって、永いあいだ大きな謎の存在でありつづけた。その身体的、言語的特徴が周辺の諸部族と際立って異なり、類縁関係が認められなかったのだ。かれらは一体何者で、どこからやって来たのか。本書は、この問いに極めて大胆な仮説を提示する。文化、身体的特徴の類似、考古学的遺物の存在などから、室町時代に日本人が太平洋を渡り北米大陸に到達し、原ズニ族に文化変容を与えたのではないか、と。形質人類学、海洋学、考古学、言語学などの成果を採用しつつ、文化人類学のみならず、人類の移動史に大きな発想の転換を促す、知的刺激に満ちた書。本邦初訳。
目次
第1章 プエブロの展望
第2章 宇宙の中心を目指す
第3章 砂漠を越えて
第4章 太平洋岸と潮流
第5章 船と浅瀬
第6章 歯と骨、血液と疾病
第7章 言葉と流浪者
第8章 親族とカチナ―社会混入者の文化保存
第9章 コスモロジーと宗教―コッコとカミ
第10章 「菊と刀」再訪
結語 イティワンナ―宇宙の中心
著者等紹介
デーヴィス,ナンシー・Y.[デーヴィス,ナンシーY.][Davis,Nancy Yaw]
1936年、アラスカに東南部にある島の町シトカに生まれる。アメリカの女性人類学者。シカゴ大学で修士号、ワシントン大学で人類学の博士号(Ph.D)を取得。現在アラスカ州、アンカレッジの「文化力学研究所」で、エスキモーその他の先住民文化に関する研究を続けている。学術論文多数
吉田禎吾[ヨシダテイゴ]
1923年、東京都生まれ。東京帝国大学文学部心理学科卒業。東京大学名誉教授。専攻・文化人類学
白川琢磨[シラカワタクマ]
1953年、香川県生まれ。慶応義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。福岡大学教授。専攻・文化人類学、宗教学
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感想・レビュー
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うにこ。
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