ちくま学芸文庫
対論 脳と生命

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480087454
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0140

内容説明

とめどなく科学技術が発達していく現代社会において、人間の「生」と「死」が持つ意味とは何なのか?快適さを追求してきたはずの都市のなかに、人間はみずから囲い込まれてしまったのではないか?そこで、はたして、人間はほんとうに幸福になったのか?日本人の死生観から、医療、宗教、超能力、教育問題、ヒューマニズムの本質まで。オウム事件直前の1994年末、脳科学者と生命哲学者が、生命と科学、そして人間社会の未来について、くまなく踏み込んでいく白熱の対論。

目次

第1章 自然な死はどこにあるのか(死との出会い;自己の延長としての死体 ほか)
第2章 死をめぐる「意味」の問題(体外離脱と臨死体験;超常現象は脳内現象か ほか)
第3章 ヒューマニズムの陥穽(快と不快;ヒューマニズムとは何か ほか)
第4章 システムの超克と人類の未来(宣長における公と私;医学と宗教 ほか)

著者等紹介

養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年、神奈川県生まれ。現在、東京大学名誉教授、北里大学基礎教育センター教授

森岡正博[モリオカマサヒロ]
1958年、高知県生まれ。現在、大阪府立大学総合科学部教授。哲学・生命学・科学論
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

7
唯脳論の科学者と生命論の哲学者とが対談するけど、自分が詳しくない医療分野のかつ面白くて鋭い知性により吟味された話を投げてくる養老氏が印象強め。自然状態の猿がしないような行動をさせて得たニューロン研究の結果にいとも容易くその欠陥を指摘し、応じる森岡氏が理解に努めるのを一緒に追体験するなどといった状態がしばしば起きる読書。コレラ菌からオカルト擁護へ飛躍する辺りの時代感はどうしようもなく95年直前とはいえ、科学技術と倫理、文明、バーチャル電脳化義体化する未来などについての議論がもう古びたという感想にはならない。2021/10/26

ほたぴょん

5
一時期、養老先生の本はけっこう読んでいた。それが読まなくなったのはいつからかというと、やっぱり『バカの壁』が大ヒットしてからだなあ。したがって、自分にとっては『バカの壁』の著者というよりは『唯脳論』の著者と言った方が据わりがいい。で、本書はその養老先生と、脳死問題などの生命倫理に積極的に関わっている哲学者の森岡先生との対談。必然的に話は医学と倫理との関わりという方面が多い。脳死者からの生体臓器移植とかは、「人間」をどう定義するかというイデオローグと関わっていて、漠然と思っていたよりも問題が深いんだなあ。2012/09/11

姉勤

4
1994年、約20年前の対論。テーマも人権、死、ヒューマニズムと社会に付随する問題など。ここに上がっている問題は、ここ20年で解決も解消もした訳で無く、むしろ大きく厄介になっていると感じる。それもそのはず、人間社会は脳が作っていくもので、世界が「脳化」していけば、当然自然との乖離がすすむのは当然だろか。ひとが使うネットワークの指数的拡大やIPS細胞など医療のテクノロジーの飛躍により、仮想現実から拡張現実へ世の中移り変わりもするが、人間のハードウエアとカルマというOSは依然そのまま。今後の20年でどうなる?2013/05/19

shiaruvy

1
コメント予定

bossa19

0
話全般にまとまりがなくて何を話しているかわかりにくい。部分部分では共感できたりできなかったり。数年後にもう一度読んだらどんな感想持つだろう。2004/02/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/422715
  • ご注意事項