内容説明
量子論の基礎を築き、分子生物学への道を拓いた、20世紀の天才理論物理学者シュレーディンガー。その科学的見地は、根底の部分で、ウパニシャッド哲学などの影響を受けた独自の思索に支えられていた。なぜ、自分が感じること考えることには、別の人間と共通する部分があるのか―。人間の言葉や記憶や意識の発生過程を通して、彼は論じていく。個々の自我を形成している意識は、世界のすべてを包含する普遍的なものと一つに繋がっているのだ、と。哲学的思想を綴った「わが世界観」に、死の直前に記された「自伝」を併録する。
目次
シュレーディンガー自伝
わが世界観(道を求めて(形而上学一般について;好ましからざるバランス・シート;哲学的驚嘆 ほか)
現実とはなにか(思惟と存在、あるいは精神と物質との二元論を放棄する理由;われわれは、言語上の了解によってのみ、共有する世界を知る;了解の不完全性について ほか))
著者等紹介
シュレーディンガー,エルヴィン[シュレーディンガー,エルヴィン][Schr¨odinger,Erwin]
1887‐1961年。オーストリアの理論物理学者。波動力学の発見により量子論の基礎を築く。講演記録『生命とは何か』は分子生物学への道をひらいた。晩年は統一場の理論に力を注いだ。ウパニシャッドの不二の教義を知り、生涯わがものとしていた。その思索は、量子論から宇宙論や生命論にまで及ぶ。詩作は一生続いた。1933年、ノーベル物理学賞受賞
橋本芳契[ハシモトホウケイ]
1910‐2001年。福井県立大学名誉教授。インド哲学・仏教学専攻
中村量空[ナカムラリョウクウ]
1948‐2001年。福井県立大学教授を務める。素粒子論専攻
早川博信[ハヤカワヒロノブ]
1944年生まれ。福井県原子力環境監視センター勤務。地球化学専攻
橋本契[ハシモトチギリ]
1949年生まれ。ヒンディー語文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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