ちくま学芸文庫<br> ゴシック建築とスコラ学

ちくま学芸文庫
ゴシック建築とスコラ学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 227p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480086600
  • NDC分類 523.045
  • Cコード C0170

内容説明

ゴシック建築とスコラ学は中世ヨーロッパ文化の双璧である。飽くなき全体性と明晰への意志、理性と想像力、超越と内在の媒介の仕方、つまりは世界を分節するスタイル…両者には不思議な類似と平行性がある。一見相異なる文化領域を支える共通の論理とは何か。細部に宿る理念と文化史的コンテクストの発見術たるヴァールブルク的イコノロジーの最良の実践であるとともに、ヨーロッパ精神史を貫流するテクネーとロゴスの構築性という問題にも新たな視点をもたらす画期的論考。

著者等紹介

パノフスキー,アーウィン[パノフスキー,アーウィン][Panofsky,Erwin]
1892‐1968年。ドイツ出身、アメリカの美術史家・文化史家。ハノーファーに生まれ、ベルリン、ミュンヘン、フライブルクの各大学で学ぶ。ハンブルク、ハーヴァード、プリンストン高等研究所などの教授を歴任した。「イコノロジー」の大成者の一人

前川道郎[マエカワミチオ]
1931‐2000年。建築史家。京都大学名誉教授、元九州大学教授、工学博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

5
「盛期スコラ学の<大全(スンマ)>と同様に、盛期ゴシックの大聖堂は何よりも「全体性(トータリティ)」を目指し」たとするような、スコラ学の諸概念とゴシック建築の諸部分に直接の対応関係を見る著者の考え方は、その後の研究で批判修正されたという。が、本書は、建築や絵画が対象だった中世から書物の文字に限定される近代までの読むことの歴史を体験できる。本文と離れた図版との対応に煩わしさを感じる読者は文字と意味の対応に親しむ近代の読む行為の中にある。が、著者の知識を念頭に図版同士を眺めれば中世の読む行為にシフトし始める。2019/03/23

あんこ

0
哲学哲学する部分が多くて、しっくりこなかったです。図録が見にくかったので、要所要所で確認しなければならず面倒でした。2012/09/21

生きることが苦手なフレンズ

0
飛鳥部先生の初期作品から、パノフスキー、イコノロジーに入ったニワカなせいかもしれませんが、正直、理解できない論もありました。ゴシック建築へのスコラ学の影響は、確かだと思うのですが、その例として挙げられている、建築上の技法などは、眉唾な気がして、納得できませんでした。ついでに言わせてもらえば、図録を後ろにまとめるより、要所要所で挿入したほうが分かりやすかったと思います。訳者の方の付論を先に読んでいると、理解しやすいかもしれません。2012/12/31

riottherunner

0
ゴシック芸術とスコラ学の関係性について図像解釈学『イコノロジー』のE・パノフスキーが明らかにしてゆく。 (教会等の)ゴシック建築物の外観の左右対称性や、柱や装飾の現代の書物の目次『章』のような構造は当時の哲学の影響を多分に受けていた。 2006/03/03

ftoku

0
メンタル・ハビット2009/04/09

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