ちくま学芸文庫<br> 場所の現象学―没場所性を越えて

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ちくま学芸文庫
場所の現象学―没場所性を越えて

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  • サイズ 文庫判/ページ数 341p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480084798
  • NDC分類 290.1
  • Cコード C0125

内容説明

人間が生きるということは、身の回りの空間や環境に自分なりの様々な意味を与えることと同値である。自らの直接経験による意味づけによって分節した空間が、すなわち「場所」である。場所は、大量生産と商業主義が深化した現代においては、多様だったはずの意味や環境適合性を欠落させ、お仕着せのものとなり、「偽物の場所」のはびこる「没場所性」に支配される。本書は、ディズニー化、博物館化、未来化などの現代の没場所性の特徴を暴き出し、キルケゴールやカミュやリフトンらの文学や哲学の成果も動員しつつ、場所に対する人間の姿勢と経験のあり方を問う、現象学的地理学の果敢な挑戦である。

目次

第1章 場所および地理学の現象学的基礎
第2章 空間と場所
第3章 場所の本質
第4章 場所のアイデンティティ
第5章 場所のセンスと本物の場所づくり
第6章 没場所性
第7章 現代の景観経験
第8章 場所のゆくえ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

14
つい昨日鷲田の『京都の平熱』を読んだが、それと非常に近い。あれは現象学者が京都という場所を散策する本だから、ほとんど本書の実践版といってよい。地理学という学問を人間という存在を中心に持ってきて考える、と乱暴に定義してみてもいいかもしれない「人文地理学」の古典的名著みたいだ。本人の主義とはなぜか裏腹に古典から現在に至るまでの文学作品、哲学書からの雑多に過ぎる引用が、本書を形作る。論あっての引用というよりも、引用を積み重ね、肉付けしたような本。あと、参考文献の付け方とかちょっと変というかあれだけど、おもろい。2013/07/31

ハチアカデミー

13
幼少時代を過ごした町、学校、公園、恋愛の舞台となった喫茶店や映画館、日々仕事をするオフィスも、毎日通う定食屋も、それぞれに記憶を喚起し、感情を喚起する「場所」である。そんな場所を、人がどのように認識し特別視をしていくのか、その心性を探る一冊。人は特定の場所に根付くことで、生活のベース(基準点)を設ける。それは感情の基準ともなり、相対化の基準ともなる。その場所に、性格や価値観も少なからずアフォードされる。その場所に無自覚だと、自分が何によって思考しているのかも見逃してしまう。場所を知ることは己を知ることだ。2014/06/16

∃.狂茶党

12
私が関連する場所は、変化しても同じものと捉えられる限りにおいて、故郷のようなものと感じられるのでしょう。 その場所にも、私たちは根を張り、意識の中の過去にも根を張る。 商業主義と科学の発達に伴い。 事細かな退屈さが、世界を地ならししていく。 だからといって根絶やしになるわけではなく、変化した場所にも、変わらず根は伸ばされるのだが、だがしかし、そういった、複雑な均一は、どうしようもない退屈さと、快適な不条理を感じてしまう。 大量生産、最適化、効率。 私は消費のために生きてるなんておもいたくはない。 2022/11/22

yamikin

12
『ファスト風土化する日本』読んで郊外・風景論に興味を持ったなら間違いなくこれを読むべし。地域の歴史を物語的に創り出し観光地に企てる「博物館化」、場所のイメージを創り出す「ディズニー化」。三浦展が批判していたことはとっくの昔にE・レルフが言及していたのです。序盤がダラダラしているので中盤から読むのが効率的な読み方だと思う。2010/10/18

おせきはん

9
個性的な「場所」と効率的に規格化された「没場所性」について論じられています。没場所性では一人ひとりの生活は見えにくいかもしれませんが、場所、没場所性のいずれにも、それぞれよさがあります。どちらかが善でもう一方が悪というわけではなく、それぞれのところで一人ひとりがどのように生きるのかが重要だと思いました。2018/02/02

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