内容説明
エネルギーや物質を環境から受け入れはするものの外部システムの作動には関知せず、自己は自身をもとに自らを創出する―本書は、システムが自分自身の組織を形成し変化させていく閉じた環のなかにとどまり、その循環をよき環としてとらえなおそうという、まったく新しい生物学の原理“オートポイエーシス理論”の初歩的で原理的な入門書。生物のあいだの円環を意識しながら、生命の世界に対するしなやかな感性と、生物を制御対象ではなく自律主体として見る柔軟な視線でとらえるこの認識論は、1973年、チリのアジェンデ政権下における知的沸騰のなかで生まれ、社会や法律、現代思想に大きな影響を与えた。
目次
第1章 “いかにして知るのか”を知る
第2章 “生きていること”の組織
第3章 歴史―生殖と遺伝
第4章 メタ細胞体の生活
第5章 生物のナチュラル・ドリフト
第6章 “行動域”
第7章 神経システムと認識
第8章 “社会”現象
第9章 “言語域”と人間の意識
第10章 知恵の樹
著者等紹介
マトゥラーナ,ウンベルト[マトゥラーナ,ウンベルト][Maturana R.,Humberto]
1928年チリ生まれ。医学、生物学を修め、バレーラとともに生物の組織化の神経システムを機能的に解明。同じ機能が人間社会のシステムにも働くことを考察した
バレーラ,フランシスコ[バレーラ,フランシスコ][Varela G.,Francisco]
1946年チリ生まれ。認識と意識の生物学的・サイバネティクス的基礎について師であるマトゥラーナと研究。応用数学でも数々の業績がある。2001年没
管啓次郎[スガケイジロウ]
1958年生まれ。ニューメキシコ大学比較文学科にて修士号取得。明治大学理工学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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