ちくま学芸文庫<br> ぼく自身あるいは困難な存在

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ちくま学芸文庫
ぼく自身あるいは困難な存在

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  • サイズ 文庫判/ページ数 339,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480082947
  • NDC分類 954
  • Cコード C0198

内容説明

本書の執筆時に、コクトーは五十七歳だった。第二次大戦が終結して間もない、占領下の陰惨な記憶も鮮やかな時点で、自身の死を意識しつつ書かれた本書は、ラディゲ、サティ、プルースト、ディアギレフら、その多くは世を去っている親しい友人たちの的確で魅力的な人物論がちりばめられ、エスプリにみちたコクトーの姿と透徹した芸術観が浮かびあがってくる。「死について」「言葉について」「美について」「線について」など、「射撃姿勢をとらずに凝っと狙いを定め、何としてでも的を射抜く」というその手並みを味わいながら、読者は、コクトーの真摯さとそこに寄り添っている孤独の深さに導かれることだろう。

目次

会話について
ぼくの幼年時代について
ぼくの文体について
仕事について また 伝説について
レーモン・ラディゲについて
ぼくの容姿について
ぼくのさまざまの逃亡について
フランスについて
演劇について
ディアギレフについて また ニジンスキーについて〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Alice@JazzCafé

8
57歳のコクトーが人生の終焉を意識して書いたエッセイ集。書き留めておきたい印象的な言葉がちりばめられている。また、コクトーの幅広い交友関係には目を見張る。ラディゲ、サティー、プルースト、ニジンスキー、ピカソ、アポリネール、ジュネ...名を挙げればきりがない。それにしても、この時代のパリの文芸界ってすごい。2011/04/02

コスモス

6
映画「オルフェ」や小説「恐るべき子供たち」を鑑賞したことがあるので気になって古本で購入。抽象的な文書が多くて、全体の三分の一ぐらいしか頭に入ってこなかった。でも芸術が好きな人は共感する文章が多いはず。2022/08/07

しろ

6
☆8 すごい。コクトーの思想にはいろいろと感銘を受けるし、勉強になる。適確で確実な思考体系を、さまざまな比喩で面白く表していて、こんなに頭に入ってきたのは初めてかもしれない。またコクトーの知識や才能は多岐にわたっていて、そのエスプリを存分に発揮したこの作品はコクトーの魂を感じることができ、まるで乗り移ってくるような迫力だった。何回も読んでもっともっと理解をしたい。2010/04/25

yunomi

5
コクトーの文章は私達が詩人と聞いてイメージする様な、流麗な筆致とは程遠い。本人が言うとおり、それはびっこを引いた人の足取りの様につっかえつっかえし、気紛れにあちこちフラフラし、時には一足飛びに進んだり、逆に後戻りをしたりする。その独特な歩行のリズムにじっくり付き合うつもりでいないと、結局は何も読めていない、という事になってしまう。2010/04/17

my

2
コクトーを愛するようなきれいな女の子にね、美しい なんて言われたので、なんだか気になって読んだのです。身体についての項で、コクトーが自分の体を悪く言っているのが好きだった。2011/11/01

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