ちくま学芸文庫<br> 思想としての60年代

ちくま学芸文庫
思想としての60年代

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  • サイズ 文庫判/ページ数 305p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480080363
  • NDC分類 304
  • Cコード C0110

内容説明

5月革命、文革、ウッドストック、東京オリンピック、大学闘争、ポール・ニザン、丸山真男、高橋和巳、大島渚、吉本隆明、『帰ってきたヨッパライ』…。政治・思想・芸術・風俗などすべてにわたって、あらゆるものが変貌し、あたらしく始まった60年代を、19世紀から世界を支配してきた「近代性」に1つの終わりを告げた革命の時代、現在の〈生〉の出発点ととらえ、その実態にメスを入れることで過去・現在・未来を照射する、気鋭の社会学者による60年代論。

目次

60年代革命について
青春の伝説―ポール・ニザンと『アデン・アラビア』
清潔な儀式―東京オリンピック
日本SFの誕生―批判的科学の構想力
「魔球」のゆくえ―野球のイデオロギー批判のために
丸山真男と『日本の思想』―決断と「古層」
〈逃亡者〉の肖像―テレビのなかの〈アメリカ〉
高橋和巳と『わが解体』―メランコリーのかなたへ
ヨッパライはどこへ行った―フォーク・クルセダーズの軌跡
大島渚との遭遇―論難と挑発の果てに
〈幻想〉としての吉本隆明―『共同幻想論』再読
『「甘え」の構造』の構造―日本人論を解体する
「編集後記」の研究―黒子たちの60年代
アメリカの子どもたち―対抗文化のひとつの起源
詩は、街中にあり―美しき5月のパリ
造反には道理がある―「理念」の崩壊について
土居健郎氏との論争について―土居氏への反論
60年代を読む―『肉体の時代』『ウッドストック』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

82
吉本隆明批判の文があると知り取り寄せる。著者が体験した60年代のことを80年代に追想するエッセイ集。講談社のPR誌に連載されたものらしい。予想外の内容が多くいろいろ唸ってしまう。ポール・ニザン、大島渚、高橋和巳、丸山真男、日本SF、フォーク・クルセダーズ、ウッドストック、「甘えの構造」の土居健郎との論争など。現在の問題の萌芽はこの60年台にすでに準備されていたと著者。個人的な体験を別の世代の人に理解させようとする試みとして。『引用のモザイクによってあの時代のイメージを一瞬のうちにひらめかせてみたい』良書。2018/11/09

シュミットさん

1
もともとは講談社発行の『本』の連載コラムをまとめたもの。学芸文庫に収められるにあたって、いくつか興味深い論考が収録された(「土居健郎氏との論争について」など)。さて、著者あとがきによると本書刊行時、「60年代のどろどろとしたものがない」などの批判があったという。たしかに60年代の思想というか知的なものの営みはこんなものじゃなかったのかもしれない。しかし、だからといって60年の「どろどろ」を知るすべは僕らに残されているか?2009/09/17

よこづな

0
「宇宙はあらゆる種類と段階の放射性物質と、物質構成の素粒子である放射線とに充ちている。半衰期がどんなに長かろうと短かろうと、放射性物質の宇宙廃棄(還元)は、原理的にはまったく自在なのだ。」かく宣う吉本隆明先生への批判を含む。2009/04/06

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