ちくま学芸文庫<br> 日本の景観―ふるさとの原型

ちくま学芸文庫
日本の景観―ふるさとの原型

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480080349
  • NDC分類 291.013
  • Cコード C0152

内容説明

どの人にも共通して好ましいと感じられる日本の風景を「水の辺」と「山の辺」、さらに「八葉蓮華」型景観、「隠国」型景観、「蔵風得水」型景観などいくつかの典型にさかのぼり、風景が包含する精神的また空間的な特性を、文学作品や絵画を引用しつつ細かく考察する。さらに日本の景観とヨーロッパの景観を比較検討するとともに、日々変化し続ける現代の都市に生き生きとした棲息地景観を作っていくための道を探る、景観工学の代表作。サントリー学芸賞受賞作。

目次

日本の景観(盆地の景観;谷の景観;山の辺の景観;平地の景観;日本の景観の原型)
第3章 生きられる景観(美しい景観と生きられる景観;自然の景観と生きられる景観;都市の自然と生きられる景観;都市の景観と生きられる景観)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒロセ

2
最後の方に理想的な都市空間を実現している参考例として、イタリアが取り上げられていたが、納得。やはり、心地のよい町というのにはちゃんとした理由があったのだなぁ~。読後、都市の見え方が変わった。2012/10/15

Fumoh

1
とてもいい本でした。単純に、昔の日本に戻ろう!とかいう話ではなくて、そこで守られてきた価値観を浮き彫りにすることで、現代に役立てようという話でした。日本は「女性・子供の文化」である、と言いますが、それは自然をコントロールしない文化、自然の形を受け入れていく文化であって、論理性・利便性といった父性文化とは相反する。そしてそうなった理由も明確でわかりやすい。日本は山水に恵まれ、四季もまた豊かだった。自然と「甘える」文化が育ち、自然の形に合わせていくというふうになった。また稲作もそれに役だった。2023/10/24

Noy_nak13

1
著者の学位論文である『景観の構造』、1975年の延長線上として書かれた本。技術の進化によってあらゆる事が可能な、そして可能になっていくであろう現代において、変わらないものとは何かということを考えさせられる。2014/06/13

ksg

1
望ましい景観とは何なのか。筆者はその問いに対して、それぞれの人が心の奥底に共通で抱いている「望ましい景観のイメージ」が存在するはずだとして、地形的な観点から現に存在する日本の原風景をパターン分けし、アップルトンによる「眺望・隠れ処理論」等を援用しながら、人間にとっての『棲息適地』としての「生きられる景観」という一つの回答を見出す。樋口忠彦氏の考察は、そういった原風景の分析にとどまらず、それが都市の中の望ましい景観の形成にもアナロジーという形で運用できるとしている点が説得力があり面白いと思う。2012/08/15

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