ちくま新書
戦後史の決定的瞬間―写真家が見た激動の時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480068972
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0236

出版社内容情報

時代が動く瞬間をとらえた写真は希少な記録となり、歴史の証言となった。日本を代表する写真家たちの決定的瞬間で振り返る戦後。

藤原 聡[フジワラ サトル]

内容説明

現場にはいつもカメラがあった。労働争議、学生運動、公害、ベトナム戦争、原発事故…。最前線に立った写真家たちは怒りを胸にシャッターを切り、世の不条理を告発した。フィルムに収めた決定的瞬間は、見る者の心を震わせ、人々の世界観にも大きな影響を与える。日本を代表する写真家、芥川仁、石川文洋、大石芳野、熊切圭介、桑原史成、笹本恒子、沢田教一、田沼武能、英伸三、樋口健二、広河隆一、福島菊次郎、細江英公、本橋成一の14人が撮った希少な記録で振り返る戦後史。

目次

第1章 原爆投下と敗戦
第2章 激動の時代
第3章 高度経済成長の光と影
第4章 公害
第5章 ベトナム戦争
第6章 虐殺と紛争の現場
第7章 沖縄、韓国、中国
第8章 巨匠、鬼才の肖像
第9章 原発推進とフクシマの悲劇

著者等紹介

藤原聡[フジワラサトシ]
1959年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、共同通信社に入社。社会部次長、長崎支局長などを経て編集委員。連載企画の「生の時・死の時」(97年度日本新聞協会賞)で全米取材担当、「これで生きる」(『働く!』の題で単行本化)では編集責任者を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

34
歴史的な出来事の事実関係に加え、その意味も読むことができる写真たち。◇広島、水俣、田中角栄の団欒、ベトナム、そして福島。その写真を撮るためには、その場所にいなければならない。居て居続けて、その瞬間に立ち会わなければならない。これが自分の撮るべき写真なのだと信じ、通い続けること。そうすることで、何かが変わってゆく。被写体の人々が対象であることをやめ、カメラマンとモデル二人の作品になる。◇そう感じることができたのは、この本、広島でもチェルノブイリでも渡嘉敷でも、対象者の氏名がしっかりと記されているため。稀有。2017/01/25

totssan

1
 報道写真には昔から興味があった。きっかけは1985年の日航機墜落事故後のFF誌。中学生には強烈すぎた。衝撃的な写真に目を取られがちだが、画像の背景を少しでも知るべしということを、その後の多くの報道写真から言われ続けた。 本書のような本も何冊も読んだが、撮影者視点である点が新鮮であった。撮影者のお名前はほぼ全員知っていたが、エピソードは何も知らなかった。この1枚を撮るのにどんだけの想いと苦労と制約があったのか?と思いを馳せつつ読む。たまにはまじめに考え、小さい行動を試そうと気を新たにする。2023/04/22

Hisashi Tokunaga

1
決定的瞬間かどうかは意見もあるだろうが、写真の映像を切り取るには長年のテクニカルな修練もあるのだろうが(この辺は本書の主題ではない様で、一部写真家について少し触れるところもある)、真髄は正にその場のその瞬間にいる事。その時間その場にいることは個々の写真家によってさまざまであり、正にさまざまこそ著者の云いたかったことの一部であろう。新書でこうした企画を一冊の本にしたことは驚嘆できる業績だろう。2016/12/17

かわくん

1
写真をテーマにした本だが写真集ではない。社会が抱えるさまざまな問題をとらえた写真家たちと、彼らが撮影した写真を題材に、戦後から現在へつながる日本や世界の課題を浮き彫りにした。戦争、公害、紛争、過疎、そして原発。ファインダーを通してカメラマンの視点が鋭くとらえた事象は、数百行の原稿にもまさることを見る人に訴える。私たちが直視しなければならないことはまだまだ多い。そして決して無くならない。2016/08/26

triple_port

0
戦後の国内外の出来事を直視して現実と向き合うことが大事ってことを痛感した一冊。2016/09/22

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