出版社内容情報
人はなぜわかりやすい論理に流され、思い通りにならず苛立つのか――哲学の発想から物事を見つめ直し、自らの言葉で考える力を養う。
内容説明
ひとはなぜ、自由が拡大したのに不自由を感じ、豊かな社会になってかえって貧しさを感じるのか―現代人は、このようなパラドックスに気づき、向き合い、引き受けねば幸福にはなれない。「自由」「責任」の本質は何か。「弱さの力」とは何なのか。哲学の発想から、常識とは違う角度からものを見る方法を、読者とともに考える。人々と対話し思索を深める“臨床哲学”を実践してきた著者が、複雑化した社会のなかで、自らの言葉で考え、生き抜いていく力をサポートする。
目次
問いについて問う―意味について
こころは見える?―ふるまいについて
顔は見えない?―人格について
ひとは観念を食べる?―生理について
時は流れない?―時間について
待つことなく待つ?―ホスピタリティについて
しなければならないことがしたいこと?―責任について
所有できないものしか所有できない?―自由について
同じになるよりすれ違いが大事?―コミュニケーションについて
できなくなってはじめてできること?―弱さについて
憧れつつ憎む?―家族について
未熟であるための成熟?―市民性について
わかりやすいはわかりにくい?―知性について
著者等紹介
鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949年京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、大阪大学総長。専門は哲学。大学の研究としての哲学ではなく、社会の様々な現場に足を運び、対話の中で人々とともに考える「臨床哲学」を提唱し、自ら取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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