内容説明
今、皮膚科学が長足の進歩を遂げている。医療や美容からのアプローチだけではうかがいしれない、皮膚メカニズムが次々に解明されつつあるのだ。「年をとるとしわができるのはどうして」、「お肌によい物質は何か」といった身近なトピックから、「皮膚が脳と同じ機能を担っているとしたら」というにわかには信じられない働きにまで本書は迫っていく。
目次
第1章 皮膚の様々な様相
第2章 表皮と角層
第3章 皮膚は自律している
第4章 皮膚が感じる
第5章 身体と皮膚
第6章 情報処理システム
著者等紹介
傳田光洋[デンダミツヒロ]
1960年生まれ。京都大学工学部工業化学科卒業。同大学院工学研究科分子工学専攻修士課程修了。1994年に京都大学工学博士号授与。カリフォルニア大学サンフランシスコ校研究員を経て、2002年より、資生堂研究所主任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
木ハムしっぽ
5
人体の中で最大の臓器である皮膚。あまりに身近な臓器であるため研究が遅れている分野であると言う。化粧品会社の研究員である著者が皮膚の凄い働きを紹介する本書。皮膚は体内と体外を分ける境界であるため幾重にも組み込まれたバリア機能。その精巧さには驚かされる。心の働きとも密接に関連している皮膚。最も驚くのは、幸せホルモンであるオキシトシンやストレスホルモンであるコルチゾールを表皮が合成すると言う。マッサージを受けると一酸化炭素を発生させ血管を拡張させる。心を司るのは脳だとばかりは言えないことが科学的に示されている。2024/06/12
qwel21
3
皮膚を単純に身体をカバーしている皮と捉えるのではなく、自己と外部との境界にあり、環境変化を鋭敏に感じ、思考する臓器として捉える。ちょっと用語とかが難しい感じですが、面白いです。2009/08/19
naoto
2
読みやすくて面白くて、勉強になった。皮膚も、かなり思考している感じ、するな。日本語には「皮膚感覚」って言葉があるけど、皮膚にはセンサーがいっぱいあって、そのセンサーを生かすために体毛が薄くなったのかも。たまに本や歌が出てきたりしたのも楽しかった。2019/02/19
m-freak
2
皮膚についての基本的な知識と筆者の研究成果を中心に最新の皮膚の機能が紹介されている。若干、決めつけや偏りがあるのが気になるが良書。握手、ハグ、キス、人は皮膚を通じて愛情を感じ、信頼を得る。その分子メカニズムがどういうものなのか、今後の研究発展に期待。2011/09/01
happy3939
1
【脳より皮膚】 が大事かも!と思わせる本です。脳科学はいろんな分野の人が研究してる。が皮膚は医者か化粧品会社くらい。でも、皮膚ってすごいんだ。細胞一つ一つは細胞膜が大事。人体の細胞膜に当たるのが皮膚やしね。もっと詳しく学ぼうと思わされる本でした。 #皮膚 #美容2021/01/07