内容説明
ここ数年、会社をとりまく情況が揺らいでいる。企業買収、無理な増配要求、安定株主工作を批判する投資家。会社経営が、投資家の短期的な論理に振りまわされ、長期的な成長の青写真を描くのが難しくなった。こうした変化のなかで、繁栄の果実を手にするために、会社は何をなすべきなのか。その鍵を握るのは、部長・課長だ。「ウチの会社」に深く関わるミドル層は、会社に活力をもたらし、変革を導くパワーを秘めている。混迷の時代における企業の成長戦略を明確に記した、すべてのビジネスパーソン必読の経営論。
目次
第1章 世の中にとっての企業の役割とは(株主の存在にたいするミドルの認識;企業の存在意義 ほか)
第2章 日本企業を取りまく現実(株式市場の現在―資金「調達」の場から「提供」の場へ;株式市場へのキャッシュ・アウト ほか)
第3章 優良企業に見る統治の姿(長期的なコミットメントをもつプレイヤー―中長期の企業経営を担保;株式所有構造に見る「同族」の存在感 ほか)
第4章 「ミドルの声」を統治に活かせるか(「ミドルの声」への注目;「株主重視」の統治形態を問う ほか)
第5章 「ミドルの声」を統治に活かすために(経営の自由度を高める持ち合い;株式の長期保有を促す工夫 ほか)
著者等紹介
吉村典久[ヨシムラノリヒサ]
1968年生まれ。学習院大学経済学部卒。神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了。03年から04年Cass Business School,City University London客員研究員。博士(経営学)。現在、和歌山大学経済学部教授。専攻は経営戦略論、企業統治論。著作に「発言メカニズムをつうじた経営者への牽制―日本の伝統社会からみた可能性と多様な実験のすすめ」(若手研究者向け経営倫理に関する懸賞論文・奨励賞受賞、日本経営倫理学会主催)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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