出版社内容情報
あ、わかった! 世界の見え方があざやかに変わる発想。
自然科学の知見と私たちの切実な人生観・価値観との間に補助線を引くと、世界の見え方はどう変わるだろうか。この世の不思議をより深く問い続けるためのヒント。
内容説明
幾何学の問題で、たった一本の補助線を引くことが解決への道筋をひらくように、「思考の補助線」を引くことで、一見無関係なものごとの間に脈絡がつき、そこに気づかなかった風景がみえてくる。この世界の謎に向き合う新たな視座を得ることができる―。「知のデフレ」現象が進む日本で、ときに怒りを爆発させながらも、「本当のこと」を知るために探究をつづける著者の、情熱的な思索の過程が本書である。自由軽快に、そして粘り強く考えるヒントを、自らの一身を賭して示す。
目次
序 内なる情熱
世界をその中心で統べるもの
「曖昧さ」の芸術
世界は「意識」を必要としない?
言語の恐ろしさ
ニーチェとカツ丼
「個性」を支えるパラドックス
現実と仮想の際にて
「みんないい」という覚悟
登攀の一歩〔ほか〕
著者等紹介
茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京工業大学大学院連携教授。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。「クオリア」をキーワードとして、心と脳の関係を探究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
24
わかりにくいとされるものを、わかりやすく書くことも、立派な技術だと思った。2014/11/30
ゆうき
16
題名と内容の関係がよく分からなかった一冊。前提として著者の別の本を読むべきかなと思いました。心に残ったこととして、現場に不満を持ち、その気持ちを創造に繋げることが大切なのかと。2015/05/27
ハチ
10
久しぶりに読んだ。読めば読むほど、難解で渋いコーヒーのよう。筆者の陶酔にやや引き摺られながら、正解がない迷路を共に旅する。知の巨人とはもはやペガサスなんだろうか。また時を経て読みたい。 2021/10/01
ハチ
8
世界全体を引き受けるという、困難な挑戦についての考察。茂木さんの本はやはり次の読書の機会や方向のきっかけとして参考になる。2017/10/03
ペールエール
8
「考える」。 世界中の知を求む筆者にとってこの作業は出発点でもあり通過点でも帰結点でもある。 考えるとはどういうことなのか。 考える、ことを考える際に一助となる一冊。 「世界の知を引き受ける」って言葉は非常に印象的だった。 2014/04/13