出版社内容情報
そろそろ借り物の思想は棚上げにして、自分のからだで経験し、自分の頭で考えてはどうか。「無思想という思想は、捨てたものではない。
日本人はなぜ無思想なのか。それはつまり、「ゼロ」のようなものではないか。
「無思想の思想」を手がかりに、日本人が抱える諸問題を論じ、閉塞した現代に風穴を開ける。
内容説明
日本人は無宗教・無思想・無哲学だという。さて無思想とは、どのような事態か。もしかするとそれは、「ゼロ」のようなものではないのか。つまりゼロとは、「なにもない」状態をあらわしつつ、同時に数字の起点でもある。ならば、「思想がない」というのも、ひとつの「思想」のあり方ではないか。日本の風土が生んだ「無思想という思想」を手がかりに、現代を取り巻く諸問題、さらには、意識/無意識とはなにかを、大胆に、されど精緻に考え尽し、閉塞した現代に風穴を開ける。
目次
第1章 私的な私、公的な私
第2章 だれが自分を創るのか
第3章 われわれに思想はあるのか
第4章 無思想という思想
第5章 ゼロの発見
第6章 無思想の由来
第7章 モノと思想
第8章 気持ちはじかに伝わる
第9章 じゃあどうするのか
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年神奈川県鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ入る。95年同医学部教授を退官し、現在東京大学名誉教授。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞受賞)『バカの壁』(毎日出版文化賞)など多数がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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