ちくま新書
医学は科学ではない

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  • サイズ 新書判/ページ数 203p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480062789
  • NDC分類 490.4
  • Cコード C0236

出版社内容情報

臨床の現場では治療法が曖昧な理由で選ばれている。
そこに医学の非科学性が存在し、「100%安全」な再現性はない。
医学の虚構を暴き、よりよい医療を考える。

内容説明

患者は病気を治すために薬を飲む。医者は病状を良くするために治療をする。その根拠は科学的であると考えられているが、実際には曖昧であることが多い。なぜか。科学的データにもとづく「平均値治療」が奨励されているとはいえ、臨床の現場では、すべてを科学で解決できるとはかぎらないからだ。むしろ、患者のほうが非科学的な治療を望むことも多々ある。科学的データか患者の声か、その狭間でジレンマに陥る医療は、進むべき道をどこに探したらよいのか?本書では、現場の生々しい本音を紹介しながら、臨床医学の虚構を暴く。医の根源を見つめ、科学的根拠も経験も踏まえた、よりよい医療を模索する試み。

目次

第1章 統計学が医学なのか
第2章 医学は芸術であった
第3章 医者は科学的根拠で治療しているか
第4章 人間的だからこそ科学ではない
第5章 医学を科学と誤解する人たち
第6章 患者は医療に何を求めるのか
第7章 健康食品と代替医療
第8章 医学をどう考えるべきか

著者等紹介

米山公啓[ヨネヤマキミヒロ]
1952年山梨県生まれ。聖マリアンナ医科大学卒業。専門は神経内科。看護雑誌の連載を機に、小説、エッセイを執筆。98年同大学第二内科助教授の職を辞し、本格的な著作活動に。現在も診療は続けている。日本老年医学会、日本脳卒中学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がっち

3
現在EBM(evidence-based medicine)がとりざれたりしているがこれはあくまでも統計の一種にしか過ぎないのである。今医学は科学化していると感じる、たとえば万人に効く薬を人間は作ろうとしているが、それは不可能な話なのである。医学とは一人ひとりの環境要因、遺伝子などさまざまな要因を考慮して行われるべきなのである。だとしたら、医者のできることはなんであるのか…?そこでこの疑問を考えるきっかけとなるには良本である。ヒポクラテスはこう述べている「医者の仕事は自然治癒力に力を貸すことである」と。B2010/09/24

シン

1
この視点は大事。2006/04/07

amplecutter

1
まっとうな内容だった。終章の「医学は幻想のルールだ」には全くもって同感。2014/05/13

Cota

1
定義の違いもあるけれど「医学」を「医療」に置き換えれば全くの同意。“現場”が「医療」とすれば、大学で学ぶ(そして研究する)“理論”が医学。医療は医学という科学に裏打ちされた技術であるべきというのが私の考えだが、本書では“現場”はもちろん“理論”もはたして十分に科学的か? という疑問を提起する。そういう意味で「医学は科学ではない」のだ。なるほど。2013/09/06

たるとじい

0
確かにと思うことが一般あった。そもそも、科学自体が完璧ではないというか、科学というで世界を述べていることが普通になっているだけで、別の方法の世界の述べ方があるのだろうとか思った。治ればいいという考えはごもっともです。2015/06/09

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