ちくま新書
売文生活

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  • サイズ 新書判/ページ数 266p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480062239
  • NDC分類 021.3
  • Cコード C0290

出版社内容情報

物書きたちは、いかにして自らの生活を成り立たせてきたのか?原稿料という、タブー視することの多かった側面に光を当てた、これまでにない作家論・文化論・日本論。

内容説明

投稿生活をへて作家・ジャーナリストとなった著者のみならず、物書きにとってお金の問題は避けて通ることのできない重大事だ。本邦初の“フリーエージェント宣言”をなし遂げた文豪・夏目漱石、公務員初任給の一〇〇倍は稼いでいた「火宅の人」檀一雄、「底ぬけビンボー暮らし」に明け暮れた作家・松下竜一…。明治の文士から平成のフリーライターまで、物書きたちはカネと自由を求めて苦闘してきた。本書ではそうした姿を、出版界の“秘部”とも言いうる「原稿料事情」を通じて描き出す。類例なき作家論にして日本文化論である。

目次

序章 私的売文生活入門
第1章 原稿料とは何か
第2章 幸せな黄金時代
第3章 標準としての夏目漱石
第4章 トップランナーたちの憂鬱
第5章 貧乏自慢もほどほどに
第6章 現代日本の原稿料事情
終章 お金も自由も

著者等紹介

日垣隆[ヒガキタカシ]
3度の瀕死体験と失業3回を経て1987年より取材・文筆活動に。1958年7月生まれ。「『買ってはいけない』はインチキ本だ」(『それは違う!』文春文庫)で文芸春秋読者賞、「辛口評論家の正体」(『偽善系2』文芸春秋)で編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞・作品賞、『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)で新潮ドキュメント賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

仲本テンカ

10
作家の収入源、原稿料。その原稿料によって、いったいどれだけ作家は稼げるのかという疑問に、きちんと答えてくれた一冊でした。ただ、まぁ、とにかく、夏目漱石って超やり手!2013/10/21

ちくわん

8
2005年3月の本。がっかり。業界のカネの話だけ。まぁ、「避けて通れない話」ではあるが、ゴシップ記事。途中離脱。2019/05/17

プラス3

7
“原稿料”を軸に、作家と言う職業の変遷を語ってくれる。あの文豪たちも、書いて飯を食うためにいろいろと苦労されていた様子。その点において、夏目漱石はかなりのキレ者だったというのがビックリ。現在の作家以上のビジネスマンっぷりを披露してます。明治~昭和、平成と古い話が多いけど、作家の面白エピソードも多く飽きさせず読ませてくれます。2013/08/17

おらひらお

5
2005年初版。多くの資料にあたって書かれているものです。立花隆さんが経済的に苦境に立っていることを知りませんでした・・・。好き嫌いが分かれる本だと思います。あと、これ読んでライター稼業に進む人は増えるのでしょうか?2013/02/27

Ted

5
この著者は読者によってハッキリと好みの分かれるタイプのライターであるが、私には面白く読めた。特に漱石の項目では、月弐百円という破格の条件で朝日の専属作家になる際、なかなかのタフネゴシエーターぶりを発揮した逸話、またそんな交渉ができた秘訣がロンドン留学にあった点などは、初めて気づかされた視点で新鮮に感じた。そんな厚遇でも生前はお金の苦労が絶えなかった印象が強いのは、出て行くものもそれ相応に多かったからだろう。「売文業は余程の才能と運に恵まれない限り、基本的に割の合わない商売だ」というのが本書の正直な感想。2011/12/18

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