ちくま新書<br> 子どもが減って何が悪いか!

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ちくま新書
子どもが減って何が悪いか!

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  • サイズ 新書判/ページ数 217p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480062116
  • NDC分類 334.31
  • Cコード C0236

内容説明

少子化が進んでいる。このままでは日本が危ない。そう危ぶむ声もある。これに対し、仕事と子育ての両立支援などを行い、男女共同参画社会を実現させれば少子化は止まる、と主張する人たちがいる。本書は、こうした主張には根拠がないことを、実証的なデータを用いて示してゆく。都市化が進む現代にあって少子化は止めようがなく、これを前提とした公平で自由な社会を目指すべきだと主張する本書は、小子化がもたらす問題を考える上で示唆に富む一冊である。

目次

序章 世に溢れるトンデモ少子化言説
第1章 男女共同参画は少子化を防げるか
第2章 子どもを増減させる社会的要因は何か
第3章 夫の家事分担は子どもを増やせるか
第4章 男女共同参画は少子化対策ではない
第5章 少子化の何が問題なのか
第6章 少子化はなぜ止まらないのか
第7章 子育て支援はいかにして正当化されるか
第8章 子どもが減って何が悪いか!

著者等紹介

赤川学[アカガワマナブ]
1967年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科社会学専攻博士課程修了。博士(社会学)。現在、信州大学人文学部助教授。近代日本のセクシュアリティーの歴史社会学、ジェンダー論などを研究
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

27
少子化対策とされる男女共同参画の政策は間違っていると解説する。女性の社会進出と少子化に因果関係はなく、そもそも相関関係も怪しいと、統計学的な再検証から証明していく。赤川さんが訴えいると感じたもっともは、統計はデータ間の関係性は示すが、その因果関係までは踏み込めいことが原則。女性に労働力率と出生率に生の相関があっても、労働力が高いから出生率が高いのか、出生率が高いから労働力が高いのかはこのデータからでは判別不能だと。このような科学的なような極めて個人的な解釈が、国の政策が決定する怖さを感じざるをない。2017/05/10

ロア

26
高齢化だって少子化と同じかそれ以上に問題だよね。高齢化によって下の年代が圧迫されて、それで色んなところに歪みが出てるのでは?そこをスルーして「少子化は大問題!」と決めつけて、女性に対し、会社勤めして子供も産んで家事もしろっていうのは酷過ぎるでしょ。「北欧ではそうしてる!」って言われても、日本とは実情が全然違うし。。。それに産む産まないは選択の自由なのだから、どちらを選んだとしても懲罰を受けることもないし褒賞されることもないのが公平だと思う。いずれにせよ、人口が増え続けることが良い事とは思えないのです。2016/09/21

佐藤一臣

24
統計を正確に計算すること、正確に計算した統計から都合の良いところだけを抜き出さないこと、こうした観点から少子化の原因や現状の対策の欺瞞を暴いています。ただ、統計手法が分かりにくく、手法の詳細が他書籍の紹介に頼っているので、かなり省かれているところがあります。少子化で何が悪いかという論は賛同できるものでした。リバタリアン的な考えの元、全体がうまくいかないのは当然であり、現状と未来を制度の面から変えていくべきという考えにも賛同します。年金制度は破綻するし、それを子供増で補うという自体が間違っています。2017/04/13

りょうみや

16
摘み読み。表紙にも書いてある「子どもや政策の道具ではない、愛情と覚悟を持てた男女だけが産めばよい、その結果、少子化になってもそれは仕方がない」がメインの主張。個人的にはこの結論に心情的にあまり賛同はできないのだが、少子化対策と男女共同参画の関連など少子化問題の分析と考察はわかりやすい。2017/02/24

Midori Nozawa

12
少子高齢という言葉はかなり前から言われている。団塊世代の私は何であれ競争だよと学校で言われ、勉強の大切さを言われて育った。結婚し子どもにも恵まれ、孫にも恵まれ幸せだと感じる。本書は男女共同参画社会にすることは大切だ、でも少子化に歯止めをかけることとセットにすべきでないと主張する。少子を前提にした法制を整え、各世代間の負担の差を少なくし、結婚も出産も国に要請されるものでなく自由意志でできることが大切と述べる。私はお見合いで結婚したので、紹介の労をとってくださった方に感謝。私自身は一組もお世話していない。2022/02/14

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