ちくま新書<br> パラサイト社会のゆくえ―データで読み解く日本の家族

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パラサイト社会のゆくえ―データで読み解く日本の家族

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  • サイズ 新書判/ページ数 187p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061959
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0236

内容説明

親に基本的生活を依存する独身者を著者が「パラサイト・シングル」と呼び始めてから、七年あまりがすぎた。この言葉はすっかり定着したが、実はこの間にパラサイトたちは密かに変容していた!かつては、「本当は自立できるのにリッチな生活をしたいから」パラサイトしたのだが、現在では「正社員にもなれず、自立したくても自立できない」貧乏パラサイトが主流となっているのだ。この九〇年代後半のパラサイトたちの変容の背景には、日本社会の地殻変動がある。自殺者数の増加、離婚率の高まり、青少年犯罪の増加などさまざまなデータ・現象を手がかりに、日本の家族のゆくえを多面的に分析する。

目次

パラサイト・シングルの変質―一九九八年問題
1 永久就職は今や昔―平成結婚事情(「離婚、一分四九秒に一組」;二〇五〇年にお年寄り三五%超す;四人に一人「できちゃった婚」 ほか)
2 欲しいモノがない―子ども社会の変容(三人に一人は夢がない;パラサイト親子の背後に祖父母あり;「お年玉二年連続減少」 ほか)
3 パラサイト社会の裏側(中年女性がプリモプエルにはまる理由;「若年フリーター増に警鐘」;中年男性の自殺急増 ほか)

著者等紹介

山田昌弘[ヤマダマサヒロ]
1957年東京都生まれ。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京学芸大学教育学部教授。専門は家族社会学・感情社会学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

25
10年前に出版された本。消極的選択の結果としてのフリーター増加、年金問題など、現在では常態化してしまった感のある問題がたくさん挙げられている。希望を持って生きるのが難しいほどゆがんでしまった社会。何より子どもの層が夢を持てなくなってしまったのが悲しい。2014/07/08

ひじり☆

10
夢がもてない、努力が実らない社会って…イヤだな。正社員とらない使い捨て起業のあり方で税収も減ってしまうんだろうな…。パラサイトしてたり、先が考えられないって…結局どうするんだろうって思う。2016/08/04

すいみん

3
元々が0年代前半出版かつ雑誌連載を基にしているので表題がある割に内容が煩雑。収入が低水準で不安定だから結婚できないというのはいまだによく聞く話でそちらをどうにかしないといけないのだろうけども、所得の再分配を若年層に傾けたら以前あった新幹線での焼身自殺のような高齢者による他人を巻き込む自殺が増えそうで…2015/10/16

ケー

3
一章一章が10ページもないのでさらさら読む分にはいいですがやっぱりちょっと内容が薄く感じる……出版が10年近く前なので「年金」「家族ペット」などの内容も時代感を感じる(現在進行中だとは思いますが)。2013/08/05

F83

2
登校拒否が学校に「行かない」んじゃなくて「行けない」のと同じように、パラサイト・シングルは自立「したくない」のではなくて「出来ない」んじゃないのか。いや、それは甘えでいくらでも自立なんて出来るだろう。じゃあ、強制的に全てのパラサイトを自立させてみたらどうなるだろうか。果たして貧困者が増え、孤独者が増え、生活の安心できる場所もなくなるのだから犯罪率も増えるだろう。「パラサイト社会」があることはある意味救いだったんじゃないのか。パラサイト社会は問題では無いと思う。問題なのはパラサイト社会にしてしまう社会では?2015/06/26

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