ちくま新書
「勝者の裁き」に向きあって―東京裁判をよみなおす

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  • サイズ 新書判/ページ数 286p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061621
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C0221

内容説明

国家の戦争犯罪が法廷で裁かれたのは、第二次世界大戦後の“ニュルンベルク裁判”と“東京裁判”が初めてである。それは勝者である連合国が創設した裁判所憲章に準拠し、従来の「通例の戦争犯罪」に加え、「平和に対する罪」と「人道に対する罪」という新しい法概念を含んでいた。「勝者の裁き」の場に引き出されながらも、冷静な眼差しで対処した「A級戦犯」重光葵の起訴から判決までの軌跡を、精緻な読みで分析し、東京裁判の実像に迫る。

目次

第1章 東京裁判論のなかの「勝者の裁き」
第2章 天長節に爆弾ふたたび
第3章 巣鴨の住人と「勝者の裁き」
第4章 国境を越えた援軍
第5章 「勝者の裁き」も終盤へ
第6章 戦い終えて

著者等紹介

牛村圭[ウシムラケイ]
1959年金沢市生まれ。東京大学文学部(仏語仏文学)卒業。同大学院(比較文学比較文化)、シカゴ大学大学院(歴史学)、各博士課程修了。学術博士。カナダ、アルバータ大学客員助教授(日本語日本文学)等を経て、現在、明星大学青梅校助教授。近現代日本の思想史(比較文化論、文明論)が学術上の主要な関心である。『「文明の裁き」をこえて―対日戦犯裁判読解の試み』(中公叢書、2001年)で第10回山本七平賞を受賞。その英訳は国際文化会館から2003年に刊行された
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こまったまこ

5
戦前戦中戦後に外務大臣、駐英大使などを務めた外交官重光葵氏が巣鴨プリズンに収監されているときに書いた『巣鴨日記』の解説本と言っていいほど『巣鴨日記』に重点を置いた内容。他の方も指摘されているが「重光葵」をタイトルに入れた方がもっと読者層が増えるのでは?私もここのレビューを読まなければ分からなかった。内容は氏の日記の法廷の記事を元に東京裁判について検証している。終盤は色んな人の「重光葵」論のような趣。オランダ判事レーリングの「彼の顔が好き」という感想が良かった。他にも木戸幸一の日記も少し引用されている。2015/11/12

スズツキ

4
題名だけでは全く分からないが、重光葵の著作を中心に東京裁判を読みとったもの。これをもっと前面に押し出したら、私みたいな人間は喜々として読むと思うんだけどなぁ。2015/05/17

結城あすか

2
この本は元外相の重光葵が残した『巣鴨日記』を元に、主に重光葵の裁判として東京裁判を記した内容になっているにょ。この重光葵は東京裁判が「勝者の裁き」じゃなければ、訴追されたり有罪判決を受けるような立場ではない人にょ。著者は、A級戦犯容疑者たちは個人としての人格を裁かれたのではなく、戦時期に要職にあったが故のノブレス・オブリージュとして裁かれたのだと明確に言い切ってるのは清々しいにょ。2004/10/26

denken

1
題名のどこかに重光葵というワードを入れてて欲しかった。2012/07/03

pantyclub

0
本書は東京裁判に関する本です。重光葵元外相の日記がベースとなっている。その他にも巣鴨プリズムに収監された方々の日記やコメントが引用されている。戦後の裁判なので題名の通りで、敗者に理あらずと言う感じ。東京裁判の法的な根拠などが書かれており、歴史を知る上で参考になる。内容的にはかなり重いけど興味をそそる本です。2022/09/13

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