ちくま新書
戦後日本の論点―山本七平の見た日本

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061195
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0236

内容説明

『日本人とユダヤ人』という卓抜な日本人論によって論壇に登場した山本七平は、一見開放されたかに見える日本人の心性を根強く支配する鎖国的な傾向を批判すると同時に、その背後にあって社会の同質化を隠微に強要する「空気」の存在をも鋭く指摘した。その後、保守論壇を舞台にしながら、戦中派としての体験をもとに、日本的社会や組織の祖型としての天皇制や軍隊を分析し、日本型資本主義の起源と展開を論じるなど、多彩な評論活動を行なった。その論点を軸に戦後日本を問いなおし、新たな座標軸を提示する。

目次

第1章 日本近代の縮図
第2章 天皇制国家の分裂
第3章 日本史を読みなおす
第4章 「現人神の創作者たち」
第5章 日本的原理主義の起源
第6章 敗残兵の日本軍隊論

著者等紹介

高沢秀次[タカザワシュウジ]
1952年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bapaksejahtera

9
山本は戦後比較的遅れて出てきた文筆家で、初めて世に問うたベンダサン物は多少キワモノとの偏見から手にしていない。その後接したする著作からは自由な発想で歴史を分析する好ましい思想家との印象を持ったが、戦時体験を基にした著作以外マトモに読んだ事がない。本書により山本の我が国天皇制論やそれに至る思想的淵源等、文筆活動を様々に追跡しており、山本が大逆事件で刑死した大石誠之助と縁続きであった事すら初めて知る読者には、良い手引となった。本書では昭和天皇の戦争責任を問わない山本の姿勢への批判など辛口評価もあり興味深かった2022/06/23

スズツキ

5
かなり骨の折れる本だが、実に良く出来ていて面白い。山本七平という論壇と一般との評価が稀に見るほど乖離の様相を呈している人物をその他の知識人と対比しながら、その壮大な思想の根底、そして日本社会の暗部にまで迫っていく。日本の近代社会に興味があるなら結構良い本だと思う。2015/09/14

さるぼぼキング

1
尊皇から維新、昭和の敗戦と戦後のまで、右にも左にも共通する日本教的なもの、天皇論など。山本七平の思索を解説。 維新~昭和までの後半の方が面白かったかな。2013/08/08

天婦羅★三杯酢

0
第1章 日本近代の縮図 第2章 天皇制国家の分裂 第3章 日本史を読み直す 第4章 「現人神の創作者たち」 第5章 日本的原理主義の起源 第6章 敗残兵の日本軍隊論 ざっと見の結論は、最後の数頁にある。 「山本がにじり寄っていったのは(・・・)日本的ファシズムの もっとも深い根の部分だった。組織という概念そのものがなく、 自然発生的な村の秩序しか知らない軍隊を律していた」もの。 それこそが、山本の描きたかったもの、なのだそうである。 さて、書評とは「その本に書かれている事を書く」2011/09/13

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