内容説明
全国各地で市町村合併の論議が高まっている。分権時代のまちづくりを考えても、深刻化する財政危機を考えても、市町村の根本的な改革が必要なことは確かである。しかし、合併はあくまでも手段であって目的ではない。合併の意義や歴史、メリット、デメリット、パターンを知り、住民が主体的に地域の将来像をどう描き出すのか、その処方箋を探る。
目次
序章 問われる国家の将来像
第1章 なぜ市町村合併なのか
第2章 市町村合併の論点
第3章 市町村合併の制度設計
第4章 合併に伴う期待と不安
第5章 自治体は変われるか
第6章 地方制度の将来
終章 次の時代を創る
著者等紹介
佐々木信夫[ササキノブオ]
1948年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。法学博士(慶応義塾大学)。東京都庁勤務、米カリフォルニア大学(UCLA)客員研究員などを経て、現在、中央大学経済学部・同大学院教授。専門は行政学、地方自治論。理論と実践の統合をめざし、分権時代の地方自治についてユニークな提言を続けている。第4回NHK地域放送文化賞、日本都市学会賞受賞
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感想・レビュー
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Mark
22
市町村合併に関する、どちらかというとテクニカルな話。合併の背景、論点、メリット・デメリット、将来像についてはよく理解できます。しかしながら、過疎、中山間地域に関する記述が少なく残念2015/01/22
佐島楓
22
国の地方への権限移譲という名の丸投げ、地方行政の国への金銭的なもたれかかりという構図がよくわかった。2014/07/11
がっち
2
市町村合併のメリットは各自治体の自治能力を高めること、 少子高齢化への対応が求められること、 新しいまちづくりのチャンスだということ、 合併こそ最大の行革チャンスだということだそうだ。しかし他の佐々木信夫氏の本などをみてもやはり都市政策は住民の力をなくしては成功しないのは明らかである。C2011/06/24
コホーー
1
いざ合併となると、課題は山積みだろうが、最大の改革チャンスと捉えることが重要。各自治体が合併後のビジョンを共有し、合併手続きも事務的ではなく、細部に至るまで正に本気で取り組まなければ失敗することになると思う。財政効果や合併特例欲しさに進めるのはナンセンス。2021/10/10
べっちゃん
1
読了。地域学のレベルはこんなもん。結局、その学域を永劫回帰するだけ。2011/02/01