ちくま新書<br> 実践カルチュラル・スタディーズ

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ちくま新書
実践カルチュラル・スタディーズ

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  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480059451
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0210

内容説明

カルチュラル・スタディーズは、日常生活のなかで出くわす様々な問題に対応するための視点と方法を考える。サブカルチャーやメディアに深く関わりつつ、文化と政治の関係を見つめ、日常生活のなかでの抵抗の論理を作り上げる運動は、現在どこまで進んでいるのか。マニュアルもプログラムも模範解答もない問題群へ向かうカルチュラル・スタディーズの、最新動向と実践のかたちを明らかにする。

目次

第1章 実践を始めるために(緊急なものから創発的なものへ;日常のなかの危機に向かって)
第2章 都市空間を取り返せ(民族誌的転回、あるいは迂回;新宿ダンボール・アート―生きた芸術を取り返す;RE/MAP―都市を再地図化する)
第3章 ポスト・マルクス主義とカルチュラル・スタディーズ
第4章 サブカルチャー研究(サブカルチャー論の落とし穴―ヒップホップの場合;メディア研究とポストコロニアリズム理論;野外パーティ/レイヴの文化と実践)
第5章 メディアを作る(メディアを取り返せ;ラジオ・アクティヴィティ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shady0004

2
イギリス発祥の学問体系「カルチュラル・スタディーズ」を通じて文化(主にサブカル)の中に横たわる政治性に焦点をあてていくという感じの本。「実践的主体」という側面を色濃く受け継いだポストマルクス主義という印象が強かった。(ただし、「主体」という積極的な単位を否定し、「行為体」とかいう無意識的な単位を用いていた)第三章における相対主義を例とする「必然的非照応」とグロスバーグが唱えた「変動的状況主義」の違いがよくわからなかった。ライムスター佐々木のジャパニーズヒップホップの状況に対する言葉は興味深かった。2013/05/12

ミツ

2
前作の『入門』がカルチュラル・スタディーズの歴史や理論、基本概念などを説明する概説であったとすれば、本作はより今日的で実践的な事例に即して考える各論である。 新宿ダンボール・アート、都市を歩き再地図化する運動、ライムスターなど日本のヒップホップ、X JAPANの天皇即位祝典ライブ、レイウ゛、トランス、自由ラジオ…。 いくつかは著者自身も関わったそれらの活動を通して見える様々な問題を取り上げた佳作。2010/12/22

roron

1
分析対象のヒップホップや野外パーティーなどはかならずしも政治や社会運動の文脈に乗っておらず、権威主義的な左派の批判に晒されてきた。しかしそうした営みにも独自の「抵抗」があり、イデオロギーの支配的なテクストに回収されない政治の実践があるようだ。2000年代初頭の本だが、最近ネットで「カルスタ」と揶揄されるような言説の問題点や対置する議論も書かれていて、やはり専門の研究者だと感じた。2021/07/29

そあ

1
日本では若者の集団性は「族」として表現されてきた(太陽族とか竹の子族とか)。おたくが初めて族と呼ばれなくなった集団であり、族のあとは「系」(ex渋谷系)と呼称されるようになったというくだりがおもしろかった いまだと地雷「系」?2021/04/13

左手爆弾

1
カルチュラル・スタディーズの実践活動に目を向けた本。新宿のダンボールハウスや、レイブパーティー、YOSHIKIの天皇祝賀会やライムスターのアルバムジャケットの事件などを扱う。要するに、アカデミズムやジャーナリズムの世界とサブカルチャーの世界にある、ズレを指摘しながら、その隙間を埋めるカルスタの理論を解説していく、といった具合に展開していく。この手のものは、時間による変化が早いため、あるものはあまりにも当たり前、あるものは時代遅れにすぐになってしまうね、という感じはある。自由ラジオはUstになったね、とか。2014/08/26

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