内容説明
現在、「知」は混迷状態に陥っている。インテリたちはかつてないほど熱心に西洋の新理論の輸入に血道をあげ、難解な言葉と言い回しに身をやつしている。その一方で、有名大学の学生がフランス革命の存在を知らなかったりする。では、この両極の中間に位置する人は、何をどう読めばよいのか。学校は出たけれどもっと勉強したい人、抽象的な議論がどうも苦手だという人。そういう「バカ」たちのために、本書はひたすら「事実」に就くことを指針とし、インチキ現代思想やオカルト学問、一時の流行に惑わされず、本を読み勉強するための羅針盤となるべき一冊である。本邦初「読んではいけない」リスト付き。
目次
第1章 「難解本」とのつきあい方
第2章 私の「知的生活の方法」
第3章 入門書の探し方
第4章 書評を信用しないこと
第5章 歴史をどう学ぶか
第6章 「文学」は無理に勉強しなくていい
終章 「意見」によって「事実」を捩じ曲げてはならない
著者等紹介
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年茨城県生まれ。東京大学文学部英文科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。1990-92年、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に留学。学術博士(超域文化科学)。現在、明治大学講師。文芸批評、演劇、歴史、ジェンダー論などフィールドは幅広く、独自の「男性論」を展開。その他、最近では論壇・文壇のもたれ合いへの鋭い批判も行なっている。著書に『新編八犬伝綺想』(ちくま学芸文庫)、『夏目漱石を江戸から読む』(中公新書)、『男であることの困難』『江戸幻想批判』(ともに新曜社)、『〈男の恋〉の文学史』(朝日選書)、『間宮林蔵〈隠密説〉の虚実』(教育出版)、『もてない男』(ちくま新書)、『恋愛の超克』(角川書店)ほか
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